エプソンは10月22日から順次、家庭用インクジェットプリンターの新製品を発売する。新型コロナウイルスの感染拡大と、その対策としての「テレワーク(在宅勤務)」や「在宅学習」に伴う家庭内印刷の需要の高まりを受けて、ランニングコストの面で有利な「エコタンク」搭載モデルと、イニシャルコストの面で有利なインクカートリッジモデルの双方でラインアップを拡充する。
インクを本体内のタンクに補充するエコタンクモデルには、先述の通り高画質な写真印刷に対応するモデルが登場し、既存モデルにも新色が追加される。
「EW-M752TB」は、2019年10月に発売されたA4複合機「EW-M752T」のボディーカラーをブラックとしたモデル。自社調査で「ブラックモデルが欲しい」という声が多かったことを受けて製品化された。想定販売価格(税別、以下同)は3万円台後半となる。
ボディーカラー以外は、EW-M752Tと同じ仕様だ。インクは顔料ブラックインクと染料インク4色(フォトブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)の計5色を装備している。ブラックインクを2種類用意することで、文字のにじみにくい文書印刷と鮮明な写真印刷を実現している。
なお、既存のホワイトモデルの販売も継続される。
「EW-M873T」は高画質写真の印刷に対応するA4複合機で、2017年3月に発売された「EW-M770T」の後継機種という位置付けとなる。想定販売価格は6万円台前半となる。
インクは「ClearChrome K2 Plus」で、顔料ブラックインクと染料インク5色(フォトブラック、グレー、シアン、マゼンタ、イエロー)の計6色を装備している。インクに中間色であるグレーを加え、インクの噴出量を調整する「Advanced-MSDT技術」と組み合わせることで、色の階調表現と印刷時の粒状性を改善しているという。ブラックインクを2種類備えていることを生かして、モノクロ写真をより高画質に印刷できるようにもなっている。
印刷コストは用紙込みで約6.9円と、インクカードリッジモデルと比べると手頃だ。印刷速度はA4モノクロで約16ipm(イメージ毎分)、A4カラーで約12ipm、L判写真(1枚)で約19秒となっている。
給紙は本体正面のトレイ(上段:L判〜B6対応、最大20枚/下段:L判〜A4対応、最大100枚)の他、ASF(自動給紙機構:名刺サイズ〜A4対応、最大普通紙50枚/写真用紙、名刺・カード20枚)や本体後方からの手差しでも行える。
PC、タブレットやスマートフォンとの接続はUSB 2.0、有線LAN(100BASE-TX)、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)で行う。タブレットやスマホでのプリントは「Epson Smart Panel」アプリを介して行える他、iPhoneやiPadでは本体にあるタッチパネル(4.3型液晶ディスプレイ)にQRコードを読み取って印刷することも行える。
本体にはSDXCメモリースロットやUSB 2.0(PictBridge)端子も備え、デジタルカメラで撮影した写真などの印刷もしやすくなっている。
スキャナ部分はフラッドベッド型のCIS方式で、解像度は1200dpi(主走査)/4800dpi(副走査)。最大でA4サイズまで読み取れる。
「EW-M973A3T」は高画質写真の印刷に対応するA3複合機で、2017年9月に発売された「EW-M970A3T」の後継機種という位置付けとなる。想定販売価格は8万円台半ばを見込んでいる。
A3ノビサイズの印刷に対応していること、スキャナの最大読み取りサイズがリーガルサイズ(約216×356mm)になっていることを除くと、基本スペックは先述のEW-M873Tと同一となる。
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