さて、本製品が標準モデルのM14と大きく異なるのは、10点マルチタッチに対応し、なおかつペン操作もサポートしていることだ。本製品にはアクティブペンが付属しており、4096段階の筆圧検知に対応したペン操作もできる。
面白いのは、本製品が自動回転センサーを搭載することで、縦向きに手で持ってペン入力が行えることだ。もちろんタブレットのように本製品単体で動作するわけではなく、PCとケーブルで接続した状態での利用になるが、さながら手書きノートのような使い方が考慮されているのは面白い。
試しに本製品を接続した状態で「ペイント」を起動し、手書き入力を行ってみたが、パームリジェクションもきちんと動作するなど、タブレットと同じ感覚で筆記できる。ビジネス向けのタブレット製品でこれだけの画面サイズを持つ製品は少ないので、そういった意味でも価値がある。対応OSはWindowsおよびAndroidで、前述の設定メニューで切り替えて使用する。
ちなみに、本製品にはUSB Type-Cポートの角度を90度変えられるL字型アダプターが付属しており、縦向きに使う場合でもUSBケーブルを取り回しやすい設計になっている。USB Type-Cケーブルはその特性上あまりしなやかとは言えず、取り回しは決してよくないので、このような配慮はありがたい。
以上のように、既存モデルであるThinkVision M14に、ペン入力やタッチ対応を追加した本製品だが、タブレットライクな使い方まで考慮した、ユニークな仕上がりとなっている。使い道を見いだせるかはユーザー次第だが、接続先のノートPCにタッチ機能がなく、手書きでの入力を強化したいと考えているユーザーにとっては、面白い選択肢と言えそうだ。
そんな本製品の価格は、同社の直販サイトで、税込み価格5万600円ということで、タッチ非対応の標準モデルに比べて約1万円プラスとなっている。実際にはここから割引が加わるのでもう少し安い価格で入手できるが、今回紹介したペン入力関連の機能がこの価格差に見合っているかどうかで、本製品か既存のM14なのかを判断することになりそうだ。
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