DirectX 12 APIを利用したAAA級タイトル「ボーダーランズ 3」では、ゲーム内ベンチマークテストを使ってフレームレートをチェックした。画質プリセットは最高の“バッドアス”とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3つの解像度で計測している。
FF14ベンチマークから一転し、こちらはRX 6900 XTとRX 6800XTが良好なフレームレートを叩き出し、RTX 3080が苦戦を強いられた。RX 6900 XTとRTX 3080との比較では、フルHDでは実に20%もの差が生じている。これは無視できない。
RX 6800 XT/RX 6800のベンチマークテストの際に、このタイトルではSAMを有効にすることでフレームレートが10fps以上向上することが確認できた。今回のテストでも、SAMの有効化がフレームレートの大きな改善に寄与したということになる。
もっとも、SAMがパフォーマンス改善につながるかどうかは、ゲームの作りにもよる。SAMが有効でも、フレームレートが大して改善しない場合もある。ただ、SAMに相当する機能を現時点で実装していないNVIDIA勢は当面の間、SAMがパフォーマンス面でプラスに働くタイトルでは不利を強いられることになるだろう。
続いて、最新の高負荷タイトル「Godfall」のフレームレートを見てみよう。画質設定はプリセットに「エピック」を選択し、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類に設定。ゲーム内の一定コースを移動した際のフレームレートを計測している。
全ての解像度でトップに立ったのは、RX 6900 XTだ。フルHDではRTX 3080がスコアを伸ばして2位に付けたものの、WQHDではRX 6800 XTが逆転し、4KではRX 6800 XTとRTX 3080が拮抗(きっこう)している。RTX 3080は最小フレームレートはしっかり稼ぐものの、高解像度になると平均フレームレートにおいてRX 6800 XTと並ぶか、差をつけられてしまう。
カードの価格を考えれば、RX 6900 XTの性能は“順当”だ。合わせて、RX 6800 XTの健闘も伺える。
最後に、DXRを有効にできるタイトルにおけるRTのパフォーマンスを見ていこう。まずは3DMarkの「Port Royal」だ。
RX 6800 XTと比べると、RX 6900 XTは7%ほど高いスコアを記録した。しかし、RTX 3080と比べると15%前後の差を付けられてしまう。
RX 6800 XT/RX 6800の検証でも明らかだったが、Radeon RX 6000シリーズは、DXRを使うテストのスコアが振るわない傾向にある。スコアとして見ると、Radeon RX 6000シリーズのRT回りは“付け焼刃”のような感じを否めない。
続いて、DXR対応したゲームタイトル「Control」でフレームレートチェックする。画質プリセットは“最高”、解像度はこれまで同様にフルHD、WQHD、4Kの3種類。ゲーム内の一定コースを移動した際のフレームレートを「OCAT」で計測した。なお、今回の計測ではRTX 3080の「DLSS」は“無効”としている。
結果のグラフを見れば明らかだが、RX 6900 XTとRX 6800 XTは、DXRを有効化するとフレームレートが極端に落ちる。両者の性能差も微々たるものだ。RTX 3080と比べると、安定して30%ほどの差が付いている。
「RT対応タイトルを快適にプレイしたいなら、ファーストチョイスはGeForce RTXシリーズ」という図式は、少なくともRadeon RX 6000シリーズでは揺るがすことはできていない。GeForce RTXシリーズではDLSSを有効化するとさらにフレームレートを改善できることを考えると、なおさらに……だ。
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