ところで音声での操作の真骨頂といえば、定型アクション(Google Homeではルーティン)による、複数の家電製品の一括操作だ。
ここまで見てきた電源オン/オフやチャンネル切り替え、音量調整などは、リモコンを使ってもそう手間は変わらない。むしろそちらの方が簡単なこともあるだろう。
しかし、外出先からの帰宅時に照明とTVを同時につけたり、あるいは外出時にエアコンやTVをまとめてオフにしたりといった、他の家電製品を一括して扱えるのは、単体のリモコンでは不可能な、スマート機能ならではの芸当だ。これらがどのくらい実用的かは気になるところだろう。
結論から書いてしまうと、本製品は定型アクションに登録して問題なく利用できる。対象となる操作は電源のオン/オフのみだが、外出先から帰宅して、やれ照明をオンにし、やれエアコンをつけ、やれTVをオンにし……といった一連の操作が、音声コマンド1つで済むのは利便性が高い。外部のスマートリモコンのように、TVの前に立っていたら赤外線信号を遮っていて反応しなかった、といったこともない。
以上のように、できる操作は電源オン/オフやチャンネル変更、音量調整などに限られるが、実際に試すとなかなか便利だ。前述のように、他の家電製品と一括操作できるというメリット以外にも、体調が悪く寝たきりの状態で、声は出せるがリモコンに手を伸ばす気力がない、手が届く範囲にリモコンがないといった場合にも役立つだろう。
もっともこれらの利用設定を行うには、レグザ側でのネットワーク設定に加えて、「みるコレ」なるサービスに登録を行っておく必要がある。これらは普段、TVを見るだけならば不要な設定であり、あまり本製品を使いこなしていないユーザーにとっては、事前準備がややわずらわしいのは事実だ。
とはいえ、これと同じ操作環境を外部のスマートリモコンで構築しようとすると、機種の選択後にいちいちリモコンの動作を確認するという面倒な作業も必要になったり、赤外線信号の到達範囲や障害物の有無を気にしなくてはいけなかったりするわけで、確実性という意味ではこの内蔵機能を使う方が圧倒的に上だ。今回はレグザについて試したが、また機会があれば、他社TVの同等機能も試用してお届けしたい。
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