2020年は、かつてない変化が身近に沸き起こった年として、間違いなく記憶に残る1年だろう。こんなにもPCのパフォーマンスや使いやすさが、仕事や遊びに直結して注目を集めたのも珍しい。
私のようにテレワークが以前から行われ、日々最新のPCに触れる機会が多い環境でも、こんなにも1日中、PCを使って何かをしている時間が増えたことはなく、それ以外の状況下に置かれた人はなおさらだろうと思う。
PCが好き/嫌いを問わず、これだけPCに触れる機会が増えたのなら、そこに手を加えて少しでも快適な環境を手に入れよう、いや、PC以外も身の回りの環境を変えていけば、さらに仕事も遊びも一皮むけるはずだ! と考えて、細かいトライ&エラーを積み重ねていたら1年が終わってしまったというのが実感だ。
この辺りの経緯も機会があれば触れたいが、シリーズとして「私とテレワーク」という形でライターの皆さんに執筆いただいている。
2020年の振り返りとしては、恒例の「2020年にグッと来た『デジタル仕事道具』ベスト5」として山口真弘さんが触れているように、どうしても似通った製品を取り上げることになりがちだ。
そこで、ここでは一癖はあるけれど、なんだかんだで日々使っているユニークな一品を選んで紹介していきたいと思う。
トップバッターは、PCケースから取り上げよう。
In Win Developmentの「Alice」を購入し、8コア16スレッドのRyzen 7 3700X+Radeon 5700 XTで、動画編集用にシステムを組み直したのだが、これが思わぬ方向に転がった。
このAliceは、ルイス・キャロルの児童文学小説『不思議の国のアリス』に触発されたオープンフレームケースといえるもので、ABS樹脂製のフレームの中に基板やパーツを固定し、ポリエステルのカバーで周囲を覆うという類を見ない製品だ。はた目には、瓶ビールのケースを一升瓶用に大型化したかのようにしか映らない。
サイズは約282(幅)×433(奥行き)×584(高さ)mm、重量は約3.7kgと見た目に比して軽い。3.5インチベイが1基、2.5インチベイが3基あり、ATXサイズのマザーボードもゆとりを持って取り付けられる。
古田さんのアキバ連載でもしばしば登場した長尾製作所のオープンフレームケースがアキバでも人気なのように、Aliceも光るパーツで固めれば、カバーで覆っても透過して光が見える“魅せる”ケースとして機能するが、私の場合はここにさらに2つのPCを組み込んだ。
1つはRoonサーバとして動くIntel NUCであり、1つは日々仕事で使う静音の小型デスクトップPC(DeskMini GTX/RX)となる。この2台をAliceの中に設置し、都合3台のPCが動く形になる。もちろん、Aliceに付属したカバーはじゃまなので未使用というオープンな環境で、魔改造を施した格好になる。
Intel NUC以外は、メモリを32GBにして安定運用しているが、Ryzen 5000シリーズとRadeon RX 6000シリーズが登場したことで、新たなキャッシュシステム「Infinity Cache」も気になるところではある。
次もオープンネタを見ていこう。
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