2020年にグッと来て使い倒した「お勧めアイテム」キーワードは“オープンと魔改造”(2/4 ページ)

» 2020年12月31日 12時45分 公開
[田中宏昌ITmedia]

Bose Frames Soprano+JINSレンズで快適散歩ライフ

 続いては、今や散歩に欠かせない“オープンイヤーオーディオ”の「Bose Frames Soprano」だ。

 一見したところ、アイウェアのサングラスにとしか思えないが、ボーズ製品だけあってそこにBluetoothスピーカーを内蔵している。Bose Framesシリーズは2019年に日本でも発売され、このSopranoはその後継モデルとなる。

 従来のFrames Alto/Rondoと同じキャッツアイデザインを採用しており、スポーツタイプのFrames Tempoも新たに登場した。当初は、「Bose AR」なるオリジナルコンテンツも提供されていたが、今ではスピーカー付きサングラスとスッキリした形になっている。

Bose Frames Soprano Bluetoothスピーカーを内蔵したサングラス「Bose Frames Soprano」

 従来モデルからスピーカーのキャビネットが大型化してサウンドが強化され、バッテリーの駆動時間が約3.5時間から約5.5時間に伸びるなど手堅いスペックアップがなされたが、横から見ると少々いびつな形になっているのはご愛敬だ。

 このBose Frames Sopranoに注目したのは、文字通り手ブラで音楽再生を楽しめることだ。普段の街歩きや散歩では、周囲の音を比較的聞き取りやすいAppleの第2世代AirPodsを使っていたが、どうしても音質は諦めざるを得ない状況だった。例えば、Emerson,Lake & PalmerならGreg Lakeが、ASIAならJohn Wettonのベースが行方不明(聞こえない)になりがちだ。もっと気軽にサウンドも楽しめるものはないか、ということでBose Frames Sopranoに白羽の矢を立てた。

Bose Frames Soprano Bluetooth 5.1に対応した「Bose Frames Soprano」。横幅は約142mm、奥行きは約151mmあり、専用のキャリングケースが付属する。重量は実測で約51gとなる

 結果は大成功で、見事にLakeもWettonも復活したサウンドになった。Glenn Gouldの音源を聞く際も、いいあんばいに鼻歌やハミングを消してくれるような感じと言えば伝わるだろうか。

 電源をオンにするとこれまで接続したデバイスに自動で再接続(最大8台まで記憶)し、Apple Watchとの連携もスムーズにこなしてくれる。2つのアレイマイクを内蔵しており、スマートフォンの通話やビデオ会議でも活躍してくれる。

 さすがにオープンな環境で音を垂れ流すため、静かな環境や電車内など人と接する場面では音漏れが気になるが、散歩や買い物などで人とすれ違う程度ならば、よほど大音量にしていない限り、けげんな顔をされるケースは避けられるはずだ。

 操作性も良く、右のテンプルを前後にスライドすることで音量アップ/ダウン、電源ボタンを押すことで曲の再生/停止や着信の応答/終話、2回押すと次の曲、3回押すと前の曲となり、めがねをひっくり返して左右のテンプルを水平に設置すると、2秒で電源がオフになる。

 この手のスピーカーにありがちな、バッテリー残量が残り少なくなったときの警告音がないことも好印象だ。一般的に、Bluetoothスピーカーはバッテリーが少なくなるとアラート音を出すが、Bose Frames Sopranoのようなウエアラブルデバイスだと、突然鳴り響くアラート音にかなり驚かされる。その点、Bose Frames Sopranoは音楽の再生が一時的に止まって「Battery Low Please Charge Now」(日本語にも変更可能)というアナウンスが流れるだけで済む。

Bose Frames Soprano スマートフォンとの連携は「Bose Music」を利用する。Musicサービスと連携することも可能だ

レンズ交換で常時利用が可能に

 外出時に欠かせない相棒となったBose Frames Sopranoだが、サングラスということもあって使う場所や時間が限られてしまいがちだった。そこで、駆け込んだのがメガネのJINS(ジンズ)だ。

 既に従来モデルのAltoやRondoでも対応していたが、JINS店頭でレンズを交換できる。度付きレンズはもちろんのこと、ドライブレンズやトレッキングレンズ、バイオレットプラスなどさまざまなタイプを選べるのがうれしい。私は以前から興味があった「JINS COLOR CONTROL LENS」を選んだ。

Bose Frames Soprano レンズを交換したBose Frames Soprano。複数の同意書(メガネのフレームに対する傷や破損への責任は負えないなど)にサインをした上でレンズ交換をしてもらう。こちらは“魔改造”ではなく、正規手順での交換となる

 これは紫外線量が多い場所ではサングラスに、紫外線量の少ない場合はクリアレンズに変化する2Wayレンズで、これによってインドア/アウトドアを問わずにBose Frames Sopranoを扱えるようになった。レンズの追加と交換費で税別1万円はかかるが、非常に満足度が高い。

 JINSはボーズと正規代理店契約を締結している「ボーズ・オーソライズ・ディーラー」でもあり、Bose FramesシリーズをJINSの一部店頭やWebサイトで購入することも可能だ。

Bose Frames Soprano 電源ボタンは右のテンプルにある。その手前部分から音が出る。充電端子は専用タイプだ

 このようにいいとこばかりのBose Frames Sopranoだが、充電端子が専用の4ピンだったり(TempoはUSB Type-C端子)、メガネを支えるノーズパッドがなかったり(Tempoは3タイプから選べる)、専用ケースが大柄だったりと気になるところはある。

 それよりも問題なのは、平たい顔の民族(テルマエ・ロマエ)にBose Frames Sopranoの形状が似合わないケースが多く(少なくとも私の場合は)、特に外出時はマスクを常時装着しているような昨今の情勢下だと、ノースパッドがないこともあいまってメガネの位置がずれやすいのだ。さらにテンプルを挟み込む形になるため、顔の横幅が広い人の場合は若干きつく感じる場合があるかもしれない。

 ボーズの直販サイトで税別3万円と安くはないが、30日間は返品/返金保証に対応するので、まずは試してみるといいだろう。両手だけでなく両耳もフリーで、人の声が聞きやすい癖のないサウンドが楽しめるBose Frames Sopranoで、何物にも代えられない新鮮な体験を味わって欲しい。

Bose Frames Soprano モーションセンサーも内蔵しており、この状態で2秒制止させると自動的に電源が切れる。IPX2相当の防滴仕様になっている

 続いて、どっぷりはまったゲームデバイスを見ていく。

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