ベンチマークテストの結果を見てみよう。今回、評価機はメモリ容量が32GB(16B×2)構成となっている。Control Centerで動作モードが選べたため、「パフォーマンス」と「エンターテイメント」両方のモードで計測している。
mouse X4-R5は6コア12スレッド、TDP 35WのRyzen 5 4600Hの本来のパフォーマンスを発揮できているのか? それは、スコアを見れば一目瞭然だ。その裏付けになるのが、CINEBENCH R23のCPUスコアである。これはCPUに連続して最大負荷をかける内容で、スコアとして残るのは10分以上経過した後のスコアだ。短い時間だけ高性能というような製品では良いスコアは出ない。
本製品は、パフォーマンスモードはもちろん、エンターテイメントモードでも比較対象のRyzen 5 4500U搭載機や第11世代のCore i7-1165G7搭載機を圧倒しており、もはやモバイルPCの枠を超えた領域に達している。PCMark 10でも動画エンコードやCGレンダリングなど、マルチスレッドで高負荷をかける内容が含まれるDigital Content Creationでは特に良いスコアがでている。
一方、シングルスレッド性能の目安となるCINEBENCH R23のCPUシングルコアや、シングルスレッド性能の影響が大きいPCMark 10のEssentials(ビデオ会議、オンラインショッピングなど日常操作をシミュレートする内容)、また3D描画系のテストでは比較対象のCore i7-1165G7搭載機よりもスコアが低い。こちらは、本製品のスコアが低いというよりも、最新のTiger Lake搭載製品の良さもまたあると判断すべきだろう。
なお、本製品ではバッテリー駆動中にもテストを行っているが、PCMarkでは3つのシナリオ全てでスコアがガクンと落ちている。PCMark 10の周波数ログを見ると、AC駆動時は、ほとんどの工程でCPU周波数が4GHz付近で動作しているのに対し、バッテリー駆動時は2.5GHz付近で動作しており、処理の内容とブースト制御の相性が良くないのだろう。
ただ、他のテストではPCMark 10ほど顕著な落ち込みは見られていない。実処理ベースのテストにおいても、Lightroom Classicでの現像出力は全く変わらず、Premiere Proでのプロジェクト出力時間も約9%の差なので許容範囲だろう。
最後に、気になる動作音や放熱設計を見ていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.