Sun Valleyに対応する最初の大型アップデート21H2では、ここまで触れたように比較的大規模な変更を伴うことが予想されており、過去の経緯からみて「移行に際してのトラブル」「提供時期の遅れ」といったものが出てユーザーの新バージョンへのシフトが全体に遅れるのではないかと考えている。
一方で、次回の21H1を含み、大型アップデートの適用負荷を軽減するServicing Technologyが導入された直近の3バージョンについては、比較的安定版としての役割を担っており、21H2が安定するまではこの3バージョンに比較的多くのユーザーが滞留するのではないかと予想する。
恒例のAdDuplexが出した2月時点でのWindows 10のバージョン別シェアでは、「May 2020 Update(2004)」と「October 2020 Update(20H2)」のシェアが前月比でそれぞれ2〜3%程度増加し、合計値で61.8%となっている。
過去のバージョンの中でも比較的緩やかな増加ペースではあるが、前述の「Sun Valley提供時期の安定3バージョン」として、21H1を加えたシェアは2022年初頭くらいまで7〜8割程度の水準を占めると考えており、これより古いバージョンのWindows 10を使うユーザーは、当面はこの3バージョンに収まる範囲でアップデートを目指すといいかもしれない。
最後に、これが21H1や21H2、さらにはSun Valleyに関係するネタかは分からないが、リーク情報を含むMicrosoftやWindowsの最新情報を提供する人々の興味深いツイートがあったので紹介しておく。
1つはWalkingCatの紹介する「Windows Web Experience Pack」で、同ツイートに付随する返信などを見る限り「Windows Storeを介さないWebアプリケーション実行スキーム」のように思える。
もう1つは、おそらく「One Outlook(Project Monarch)」に関するトピックで、Aggiornamenti Lumiaというユーザーが紹介するスクリーンショットには、Outlookクライアント上に複数のアプリケーションアイコンやリンクが並んでいる。
Webアプリケーションを適時呼び出す仕組みと思われるが、詳細は後々明らかになるだろう。同様に、かつて紹介した「MetaOS」のキーワードが並んでいるのも興味深い点で、以前ザック・ボーデン氏が「MetaOSとはMicrosoft 35向けのWebアプリケーションプラットフォーム」と説明していたのが、One Outlookプロジェクトにひも付く形で2021年末から2022年にかけてやってくることになるのかもしれない。
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