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» 2021年01月04日 06時00分 公開

Windowsフロントライン:2021年のWindows 10を改めて見渡す (1/2)

2020年は控えめなアップデートが続いたWindows 10だが、2021年は大きなトピックが控えている。まずは直近のバージョン別シェアから2021年のWindows 10を見ていこう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 先日、「2021年のWindows 10とPCの関係」というレポートで触れたが、2020年におけるWindows 10の“飛躍”が比較的おとなしかった一方で、2021年から2022年にかけては幾分か大きなトピックが控えている。

 1つは同レポートでも紹介している「Cobalt」「Sun Valley」「Latte」といった一連のプロジェクトで、前2者が2021年に到来するWindows 10の「OSリフレッシュ」に関するもの、後者が「Project Astoria」再来をイメージするような“Androidアプリ”をWindows上で動作する仕組みに関するものだ。

 おそらく、最も大きな話題はCobaltとSun Valleyになるが、それを補完するようなトピックが2020末のタイミングで複数出てきている。今回はそれらを紹介していきたい。

October 2020 Update(20H2)は順調に増加

 本題に入る前に、まずは恒例のAdDuplexの最新レポートから見ていこう。

 前回11月末の集計から1カ月が経過し、「October 2020 Update(20H2)」のシェアは8.8%から13.6%まで増加して「2020年内に10%台半ば」の予測水準に入っている。「May 2020 Update(20H1)」もシェアが3%近く上昇しており、結果的に直前となる2つのアップデートのシェアが、そのままこの2つの新しいアップデートにスライドしてきた形となった。

 正直いうと、October 2020 Update(20H2)の上昇ペースは若干だが予想よりも立ち上がりが遅いのだが、ここ最近大型アップデート(機能アップデート)でトラブルが続出して配信ペースが遅れていたMicrosoftから考えれば、今のところ目立った致命的なトラブルが少ない。

 現在、Microsoftはサポート期間延長などを含め、新型コロナウイルスにおける企業のIT部門の負担を軽減する施策を進めているが、今後しばらくはこういったトレンドの中でバージョン推移が緩やかになると思われる。同時に、2021年は冒頭の説明にあったように大型アップデートの内容が“幾分かチャレンジング”なものになると予想され、October 2020 Update(20H2)が比較的長期の“安定バージョン”としてシェアを維持するのではないかと予想している。

AdDuplex 2020年12月末時点のWindows 10のバージョン別シェア(出典:AdDuplex)
AdDuplex Windows 10のバージョン別シェアの推移(出典:AdDuplex)

Arm版Windows 10でx64エミュレーションがついに! 21H1がターゲット?

 今回の話題の1つめ、「x64 Emulation for Windows 10 on ARM」だ。2020年12月10日(米国時間)にWindows Insider ProgramのDev Channel向けに配信された「Build 21277」の新機能で、これまでx86系では32bitバイナリしかエミュレーション動作できなかったArm版Windows 10において、64bitバイナリのx64アプリケーションの動作が可能になる。

 Microsoft Store経由で配布されるアプリでは、アプリのビルド時点でターゲットデバイスにArmを加えることで両バイナリを含んだ状態でマルチ環境での同時動作に対応できるが、そうでない既存のWindowsアプリケーションや最新ゲーム、ツールなどにおいて64bit動作のものが存在する。

 同社によれば、現状で既存のアプリケーションのほとんどが32bitエミュレーションで対応できると説明していたが、最終的に64bitバイナリの動作に対応する。

 なお、この話題は2019年末にはうわさとして既に出ており、1年越しでの準備期間を経てようやくプレビュー版のリリースに至った。

 当初のうわさでは2020年の早期に登場してテストが行われ、2021年前半にリリースされる「21H1」のタイミングで正式導入となっていたが、新型コロナウイルスの影響なのか、結局2020年末のこのタイミングまでずれ込むことになった。

 今回のプレビュー版エミュレーション機能は、当該デバイスからDev Channelに参加することで導入できるようになる。

 プレビュー版ではあるものの、Insider Previewでは既にMicrosoft Storeで配布されているx64アプリケーションを導入してそのまま動作させることができる。動作しない、あるいはパフォーマンスに問題があるというケースも想定されるため、その場合はWindows Feedback Hubを通じて報告するよう求めている。またパフォーマンスを最適化するので、Qualcomm AdrenoのGPUドライバーを最新のプレビュー版とするようアドバイスしている。

 解説によれば、Google Chromeなどの動作にメモリを必要とするアプリケーションでは、x64エミュレーションで動作することでメモリ空間が4GBからさらに開放されるため、パフォーマンス上のメリットが大きいという。

 この他、Adobe Creative Cloudのようなアプリケーションがx64エミュレーションの恩恵を受ける典型で、M1搭載MacBookが話題となる中で、Windows 10 on Snapdragonデバイスの活用場面を増やすものとなるだろう。この機能の市場への正式な投入タイミングについては言及されていないが、おそらく当初のうわさ通り「21H1」がターゲットになると考えている。

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