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» 2020年11月06日 12時00分 公開

Windowsフロントライン:Windows 10は「May 2020 Update」(2004)が最大勢力に (1/2)

この10月に、Windows 10の大型アップデート「October 2020 Update」ががリリースされた。直近でのWindows 10のシェアはどうなったのか、バージョン別に見ていこう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 事前の予測通り、2020年10月後半の20日(米国時間)に正式リリースとなった「Windows 10 バージョン20H2」こと「October 2020 Update」だが、歴代で最もスローペースでの展開となった前バージョン(2004)の「May 2020 Update」とは異なり、割とスムーズに浸透していくとみられる。

 理由の1つは、October 2020 Updateが大型アップデートをうたいつつも、小規模な機能向上やユーザーインタフェース刷新に留まっており、大きな変更のほとんどは前世代のMay 2020 Updateの時点で完了していたということが挙げられる。

 例えば、ZDNetでMicrosoftやシステムセキュリティ系のレポートを多数執筆しているエド・ボット氏は記事中で、「事務所の複数のデバイスでテストしたが、『May 2020 Update』から『October 2020 Update』へのアップデートはほんの数分で完了して素早い。これは『20H2』が『2004』からの小規模な変更に留まるゆえだが、Microsoftがここにきて、年2回の大型アップデートというのが安定しないというのを理解したのだろう」とコメントしている。

 その他のメディアなどのレポートでも比較的好意的な評価を与えており、いまだトラブルの聞こえる「2004」でのアップデート問題は「個々の環境によるもの」ということで、システム全体の致命的な問題には至らないという見解もある。いずれにせよ、「バージョン2004」はプライムタイムを迎え、そのままスムーズに「20H2」へと流れる道筋ができつつあるようだ。

「May 2020 Update(バージョン2004)」が最大勢力に

 さて、10月も終わって恒例のAdDuplexレポーが出ている(筆者が見ている時点ではタイプミスで「October」ではなく「September」になっているのはご愛敬)。

 今回の最大のハイライトは、10月末時点でMay 2020 Update(2004)のシェアが37.7%でトップになっていることだ。9月末時点では33.7%で僅差の2位だったので、予想通りではあるものの順調にシェアを伸ばしつつある。

 過去最大のスローペースでの展開となったことは先ほどでも触れたバージョン2004だが、続くバージョン20H2へは比較的スムーズに移行できるとみられるため、最速では2004と20H2の間で4カ月程度で逆転できるのではないだろうか。

 その20H2だが、10月末の集計時点では1.7%のシェアとなっている。集計日が25日のためアップデートの一般提供開始(20日)から1週間に満たない数字だが、2020年内には10%台半ばの数字に達すると予想される。そこから春にかけ、旧バージョンと2004のシェアを奪う形で最大勢力に達するとみている。

2020年10月末時点のWindows 10のバージョン別シェア(出典:AdDuplex)
Windows 10のバージョン別シェアの推移(出典:AdDuplex)

「October 2020 Update(20H2)」以降の気になる動き

 前バージョンからの差分の少ない20H2において、数少ない新機能と呼べるのが「Chromium Edge」ブラウザの標準化だ。正式版自体は今春にリリースされていたものの、バージョン2004での標準搭載は見送られたため、多くのユーザーはこのタイミングで初めて標準ブラウザの乗り換えを経験することになるとみられる。

 機能的には「Edgeの機能が利用できるChrome」といった体裁だが、Microsoftならではのエッセンスが盛り込まれていると思われる部分がある。それが「PWA(Progressive Web App)」だ。

 PWA自体はAndroid版を含むGoogle Chromeブラウザでも利用できるため、既に利用したことのある方もいるだろう。もちろん以前のレポートでも触れたように、従来のEdgeブラウザ(Edge Legacy)でも利用できる。PWA自体はWebアプリケーションをパッケージ化してローカル動作可能にする仕組みだが、その特性から「UWP」(Universal Windows Platform)のようなMicrosoft Storeでの配布パッケージの一部代替としても有望視されている。

 そのため、Microsoftは従来のEdgeブラウザで動作するPWAについて、Windows 10向けの拡張(例えばLive Tileサポートなど)を行ったものについては、審査の上で同アプリストアを通じて配布可能な仕組みを提供している。最近のレポートによれば、従来のPWAでサポートされていたパッケージ(EdgeHTML)だけではなく、新たにChromium Edgeに最適化されたPWAについてもストア登録を開始したとのことで、MicrosoftとしてPWAの仕組みを広く活用する意思が引き続きみられる。

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