富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は4月1日、社長を交代した。Lenovo出身の大隈健史氏が新たな社長となり、前社長で富士通出身の齋藤邦彰氏は代表権のない取締役会長となる。
FCCLは、富士通のPC事業を2016年2月1日に分社して発足した。当初は富士通の完全子会社だったが、2018年5月16日に富士通、中国Lenovoと日本政策投資銀行の3社による合弁体制に移行して現在に至っている。出資比率ベースではLenovoグループの企業となったが、富士通の関連会社でもある。
FCCLの分社以来、齋藤氏は約5年間社長を務めてきた。2018年5月に合弁体制へと移行して以来、齋藤氏はことあるごとに「Made in Japan(国内における開発/生産体制の維持)」と「顧客視点での製品/サービス提供」へのこだわりをアピールし、実際にそれを維持してきた。
社長交代後も、「開発」「製造」「サポート」の面における独自体制の維持、そして世界最軽量モバイルノートPCへのこだわりは変わらないという。「ふくまろ」を始めとするAI(人工知能)を活用したサービスも強化していく。
新たに社長に就任した大隈氏は、2012年にLenovoに入社。NECレノボ・ジャパングループ(レノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータの合弁事業)の最高執行責任者を務めた後、シンガポールに拠点を移してLenovoのアジア太平洋地域のSMB(中小規模ビジネス)担当のエクゼクティブディレクターを務めていた。
大隈氏はFCCLが富士通とLenovoを“両親”とする独自の立ち位置であることに触れつつ、Lenovoが持つ世界規模の調達力とサプライチェーンと、富士通のITソリューションの両方を生かして新たなチャレンジができるのではないかと語る。
世界最軽量ノートPCへの継続的投資はもちろん、AIを活用したサービスの開発、これらとは異なる新しい製品やサービスを提供できる素地がある――FCCLのポテンシャルを引き出すことで、さらなる成長を促すようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.