ディスプレイは、WUXGA(1920×1200ピクセル)の10.1型液晶である。もちろん、2in1なので最大10点のマルチタッチ操作やペン入力にも対応している。
GIGAスクール構想の推奨要件に準拠したPCの多くは、コストを削減する目的もあってディスプレイの解像度をWXGA(1280×800ピクセル)としている。しかし、「Scratch」を始めとするビジュアルプログラミング環境でプログラミングを行うにはWXGAの画面は“窮屈”である。
それに対して、arrows EHならフルHD(1920×1080ピクセル)よりも解像度の高いディスプレイを搭載しているので、ビジュアルプログラミングも快適に行える。解像度の高いディスプレイを搭載していることは、高く評価できる。
arrows EHは、背面と画面上部にカメラを備えている。アウト(背面)カメラはAF(オートフォーカス)対応の約800万画素センサーで、屋外で草花や昆虫などを撮影したり、鉄棒などの練習の際に自分の様子を撮影したりといった用途で便利に使える。イン(前面)カメラは約200万画素で、テレスクールに参加する際に活用できる。
先述の通り、arrows EHはペン入力に対応しており、本体に収納できるスタイラスペンが付属している。デジタイザーはワコム製で、最大4096段階の筆圧検知と傾き検知にも対応している。実際に字を書いたり絵を描いたりしてみると、心地よく作業できる。
スタイラスペンにはサイドボタンが2つ用意されており、「消しゴム」などの機能を割り当てられる。ペンの断面は鉛筆と同じように六角形になっており、持ちやすく転がりにくい。こういう点にも、子どもが使うことへの配慮が感じられる。
ペンは本体の右側面に収納できる。本体とストラップでつなぐこともできるので、紛失のリスクも少ない。
着脱式の「キーボード」は、取り付けも取り外しも簡単だ。本体とドッキングした状態でも安定感は良い。キーは86個で、キーピッチは約17.5mmとなっている。配列も標準的だが、「¥」キーだけ少し狭い。手の大きな大人の男性だと、少し窮屈に感じるが、小中学生の子どもの手にはちょうどよいサイズであろう。
本体サイズは、約262.8(幅)×168.7(奥行き)×12.2(厚さ)mmで、スリムキーボードを装着すると約264(幅)×214.9(奥行き)×24.7(厚さ)mmとなる。重量は、PC単体で約590g、スリムキーボード込みで約1230gだ。ボディーカラーはブラックで、汚れや傷が目立ちにくくなっている。
キーボード込みで考えるとやや重いようにも思えるが、本体だけであれば小学生でも持ち運ぶ際に苦痛を感じない程度の重量だ。バッテリー駆動時間(JEITAバッテリ動作時間測定法)は約11.5時間で、1日の学習時間を十分カバーできる。ACアダプターもコンパクトで持ち運びやすい。
ボディーの設計やカラーも絡めて、アクティブに使いこなす上でいろいろと考えられているようだ。
本体の右側面にはUSB 3.0 Type-C端子、USB 3.1 Type-A端子、マイク/ヘッドフォンコンボジャックとmicroSDメモリーカードスロットを備えている。USB 3.0 Type-C端子は、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している。
用途を考えると、ポート類は必要十分なものを備えているだろう。なお、防じん/防滴性能を確保する観点から、ポート類にはキャップが備えられている。
ワイヤレス通信機能は、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)とBluetooth 5.0をサポートしている。
arrows Tab EHには、学習や趣味に役立つアプリケーションソフトが幾つかプリインストールされている。中でも有用なのが「Office 2019 Home & Business」だ。
Office 2019 Home & Businessには、Word(ワープロ)、Excel(表計算)、Outlook(スケジューラー/メーラー)、PowerPoint(プレゼンテーション)、OneNote(メモ)が含まれる。最近では公立小学校でもPowerPointの使い方を学び、それを使った課題が出されることもある。多くの家庭にとって、Officeのライセンスを別途用意しなくても済むことは良いことだろう。
その他、英会話学習ソフト「Learn to Speak English X3」も、英語の初学者には有用だ。
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