arrows Tab EHは、主に小中学生をターゲットとしている。そこで、ターゲット的には“ピッタリ”である中学1年生の息子に使ってみてもらうことにした。
息子は、2年ほど前からゲーミングデスクトップPCでよく遊んでいる。タイピングはまだまだ遅いが、キーボード操作もかなり慣れてきている。そこで、まずはarrows Tab EHにスリムキーボードを装着して、タイピング練習サイト「e-Typing」でスコアを計測してみた。
数回タイプしてもらった結果、最高スコアは135(レベルC)となった。普段使っているデスクトップPCのキーボードではスコア137(レベルC)という結果だったので、慣れたキーボードと同じくらいの速度で入力できたようだ。使い勝手について息子に聞いてみたところ、「最初ちょっと狭い気がしたけど、すぐに慣れた」とのことである。
最近息子がよく遊ぶ、ブラウザベースの音楽ゲーム「Spearbeat」も試してもらった。LIFEBOOK EHでは問題なくプレイできたSpearbeatだったが、arrows Tab EHでは速い曲において動きがカク付いたり音がズレたりしてしまった。
CPUがCeleron N4000搭載ということもあり、Webブラウザベースであってもアクションゲームなどをプレイするのは厳しそうだ。
arrows Tab EHのウリの1つが、精度の高いスタイラスペンである。そこで息子にスタイラスペンでお絵描きをしてもらった。
キーボードを外した状態でタブレット本体を片手で待ち、ソファに座った状態で自由に絵を描いてもらったのだが、描きやすくて楽しかったとのことだ。
高1の娘にも、息子と同様にタイピングとお絵描きをやってもらった。
e-Typingは数回練習したところ、スコアは303(レベルFast)と好成績を残した。ただし、キーピッチが約19mmのLIFEBOOK EHではスコアが320(レベルFast)だったので、多少落ち込んではいる。それでも、タッチタイピングは十分できているようだ。
娘にキーボードの評価を聞いてみた所、「最初(キーが)ちょっと狭いかと思ったけど、しばらくタイピングしていたら慣れた。これなら課題のレポート書きなども十分できると思う」とのことであった。スタイラスペンの書き心地も快適だったそうだ。
最後に、ベンチマークテストをいくつか行ってみた。
まず、「PCMark 10」を使ってPCとしての総合性能を計測した。結果は以下の通りだ。
スコアだけを見るとあまり高くはない。総合スコアはCore i3-1115G4(3GHz〜4.1GHz、2コア4スレッド)を搭載するLIFEBOOK EH(3813ポイント)の約3分の1程度である。
ストレージの読み書きパフォーマンスは「CrystalDiskMark 8.0.0」で確認した。結果は、シーケンシャル(Q8T1)の読み出しで毎秒319.12MB、書き込みで毎秒253.77MBとなった。eMMCとしてはかなり高速な部類には入るのだが、それでもSerial ATA接続のSSDと比べると半分強の速度である。
このようにパフォーマンスだけを見ると、やはりCoreプロセッサ搭載PCとの差は大きい。ただし、先に触れた通り、Webブラウズや文書作成といった比較的軽めの作業なら、それほどストレスは感じない。
arrows Tab EHは、処理パフォーマンスよりも丈夫さや子どもにとっての使いやすさを重視した製品となっている。CPUこそ非力だが、Office 2019 Home & Businessが付属して税込みで7万3800円(Web直販における税込み価格、クーポン適用時、4月6日現在)という価格を考えると、コストパフォーマンスは良好な部類に入る。
率直にいえば、CPUパワーとメモリ容量はもう少し欲しい。しかし「小中学生が“自分用”として初めて使う2in1タブレットPC」だと考えると、完成度は高い。
小中学生の「初めての自分用PC」としてはもちろん、高精度なペン入力機能を生かして外出先で手書きメモを取るためのサブPCとしてもお勧めだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.