大事なアイテムはiPhoneで探し、誰かが見つけてくれる未来が幕開け(2/2 ページ)

» 2021年04月08日 17時00分 公開
[林信行ITmedia]
前のページへ 1|2       

新しい感謝の方法を広める

 そんなアプリの中でも、最大の進化はiOS 13と共に採用された「探すネットワーク(Find My Network)」技術の導入だ。主に紛失したノート型のMacBookシリーズを探すために開発されたものだ。

 iPhoneやiPadと異なり、Macは電話通信機能を内蔵せず、外出先では単体でネットワークにつながらず、紛失しても見つけることが難しかった。Wi-Fiなどでインターネットにつながっている時だけ見つけ出す機能はあったが、閉じた状態でカバンに入れたまま、どこかに置き忘れてきた、といったケースでは、Macはインターネットにつながっていない状態で、これを見つけ出すことは難しい。

 しかし、この状況を変えたのが既に累計20億台以上出荷しているiPhoneのユーザーだ。接触確認アプリの「COCOA」などでもご存知の通り、iPhoneやMacなどはスリープ中で画面が消えている時でも、バッテリーをそれほど消費しない微弱なBluetoothの電波を定期的に出している。

 紛失したMac(やその他の対応製品)の近くをiPhoneやiPadユーザーが通りかかると、その機器の情報が登録される。もし、その機器が「紛失としてマーク」されている製品だと、そのおおよその位置情報が持ち主に報告される、という仕組みだ。

見つけた方も見つけられた方も、データを提供するAppleも誰かを特定せずに必要な情報だけが届けられる

 ここで大事なのが、その際、どこの誰のiPhoneが、どこの誰の何の製品を発見したのかといった情報は全て暗号化されており、発見した本人、発見してもらった人、さらにはAppleにも、それらの詳細が分からない仕組みになっていることだ。実はCOCOAの原理によく似ているのだが、プライバシー保護を何よりも重視するAppleは、この仕組みが作れたからこそ、この技術を形にしたといってもいいかもしれない。

 このため紛失して困っていた対応製品が万が一、発見された場合でも、見つけてくれたiPhoneの持ち主にお礼をしようと思っても感謝する方法がないのがちょっと歯がゆいところだが、他の誰かにペイフォワード(英語では「Pay It Forward」:他の人に親切にすることで親切の連鎖を作る考え方)するつもりでiPhoneを持って、できるだけいろいろなところを歩き回るのが新しい感謝の方法かもしれない。

 忘れ物防止タグは、日本でもいくつかのメーカーが販売をしているが、Appleの製品には一定以上の体験レベルを守るために技術的仕様からマーケティング方法までをカバーするいくつかのガイドラインがある。対応製品の開発方法については、2020年にオンラインで無料開催されたWWDCでもセッションがありビデオが公開されている。

 デジタルカメラやポータブルスピーカーなど、iPhoneとの連携性が高い製品では特に大きな効果を発揮しそうなので、是非とも多くのメーカーに対応をしていってもらいたい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 超小型レトロオーディオ体験をFIIO「Snowsky ECHO NANO」で スマホリスニングのモヤモヤを解消するかも? (2026年09月08日)
  2. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  3. 10月に登場する「RTX Spark」搭載PCで見た“不可解な”設定値 次期Windowsで変わるGPUメモリの仕組み (2026年09月07日)
  4. 両手が塞がっていても瞬間解錠できるスマートキー「SwitchBot スマートロック Ultra 顔認証パッド」がセールで20%オフの2万7980円に (2026年09月08日)
  5. 再来する“グラボ複数挿し”需要! 220mm径の巨大ファン搭載ケースやFractal新モデルがアキバで話題に (2026年09月07日)
  6. 省スペースで静音性に優れた3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」がセールで25%オフの2万9900円に (2026年09月08日)
  7. 実売1万円台&縦置き対応! ONPUの14型モバイルディスプレイは初心者の強い味方だった (2026年09月08日)
  8. バッテリーを外せば約639g! 最新CPU「Intel Arc G3 Extreme」搭載の8型ゲーミングPC「OneXFly APEX Air」に触ってきた (2026年09月07日)
  9. HUION、アス比3:2の90Hz駆動ディスプレイを搭載したペン入力対応12.2型Androidタブレット (2026年09月08日)
  10. ラトックシステム、デュアル4Kディスプレイにも対応したHDMI切替器 (2026年09月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー