前回は、僕が漫画を製作するのに使用していたPCがクラッシュしてしまった話をお届けした。小学校時代から引きずってきた、大手PCメーカーに関する“神話”はもろくも崩れてしまった。
そこでこの際に、漫画を描くのに最適なPCを作ってもらうことにした。PC USERで秋葉原の連載を抱えるライターの古田雄介さんと「パソコン工房秋葉原BUY MORE店」に伺った。
ちなみに、僕は漫画を下書きから仕上げまで液晶タブレットで製作している。その際に使用するソフトウェアはセルシスの「CLIP STUDIO PAINT」だ。PCは漫画を描く以外にも、取材で撮影した写真を保存したり、ライターとして文章を執筆したりするのにも利用している。
PCで漫画を描く上で、必要な条件を優先順位が高い順に挙げていくと、
以上の3つがとても大事になる。
ちなみに、仕事部屋にあるデスクトップPCは、ほぼ仕事にしか使わない。Blu-ray Disc/DVD-Videoを鑑賞することもないし、ゲームをすることもない。漫画を描くことだけに特化している形だ。
秋葉原にあるパソコン工房秋葉原BUY MORE店を訪れると、店員さんは、既に漫画家に最適だと思われるPCをセッティングしてくれていた。
「まずPCですが、可動部を極力なくしました。動く部分はどうしても壊れる原因になりますから」
と説明される。
つまり、HDDではなくSSD(容量1TBのM.2 NVMe)を搭載し、DVDドライブは省いた。電源を入れて可動をするのは、CPUクーラーや電源のファンくらいだ。
ゲームをしないので、ハイスペックなグラフィックスカードはいらない。2画面表示ができて、普通に動画やネットが見られる程度で十分ということで、グラフィックスカードはギガバイトのGeForce GT 1030搭載カード「GT 1030 Silent Low Profile 2G」(GV-N1030SL-2GL)を選んでもらった。ファンレスなので、ここにも可動部はない。
新モデルの構成をまとめると、下記の通りになる。
もちろん、お勧めの構成や価格などはそのときのパーツの在庫やトレンドにも左右されるため、あくまで参考程度に見てほしい。
お勧めPCの構成 | 税込み価格(一部割引あり) | |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 3500(6コア6スレッド/3.6GHz〜4.1GHz) | 1万3948円 |
マザーボード | ASRock「B450M Steel Legend」 | 9878円 |
メモリ | サムスン「M378A2K43CB1-CTD」(DDR4-2666 16GB)×2枚 | 1万8876円 |
SSD1 | Western Digital「WD Blue SN500 WDS100T2B0C」(M.2 NVMe/1TB) | 1万2980円 |
SSD2 | Crucial「MX500 CT1000MX500SSD1/JP」(2.5インチSATA/1TB) | 1万978円 |
グラフィックスカード | ギガバイト「GT 1030 Silent Low Profile 2G」(GeForce GT 1030) | 1万278円 |
ケース | Antec「P5」(microATX) | 5980円 |
電源ユニット | クーラーマスター「MWE 550 Bronze-V2」(定格550W) | 4480円 |
OS | Windows 10 Home(リテール版) | 1万8980円 |
合計金額 | 税込み12万618円(※パソコン組み立てサービス1万1000円と送料3240円を含む) | |
店員さんいわく、
「それぞれの部品をアップデートすれば、長く使えるようなセッティングにしてあります」
とのことだ。これまでは4〜5年使ったら新しいPCを新調していたが、これからは各パーツを少しずつアップデートしていくことができる。
これで、優先順位の
2:パソコン自体が壊れない
3:液晶タブレットで描いていて、作業が重くならないこと
の条件を無事にクリアしている。
問題は、1番大事な
1:描いた漫画のデータが壊れないこと
だ。店員さんにはそこに秘策があるらしく、
「今回一番にオススメしたいと思っているのはNASです」
と告げた。
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