PCがクラッシュ! 専門家お勧めの新型PCとNASで快適な環境を手に入れる【後編】(2/2 ページ)

» 2021年05月07日 12時00分 公開
[村田らむITmedia]
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新たにNASという武器を手に入れた

 恥ずかしながら、NASというものを知らなかったので、脳内では美味しそうな「茄子」が忠実に再現された。

BUY MORE PC USERの皆さんにはおなじみのNASも、僕にとっては初耳だ

 このナスは、NAS(Network Attached Storage)のことで、ネットワーク上に接続できるHDDだ。普通のHDDと違い、複数のPCやスマートフォンなどから同時に接続することが可能になる。設定にもよるが、複数のHDDに同じデータを保存すれば、大事なデータが消えづらい。同時に、ネット上のクラウドにもデータを保存させることができる。

 店員さんは、自宅にあるNASの中に入れてあるというゲーム配信用の動画を、試しにスマホで再生してみせてくれた。

 NASがあれば、とりあえず執筆した記事や描いた漫画を放り込んでおけば、データが完全に紛失/破損する可能性はかなり低くなる。さらに出張先で仕事をしている場合などに、インターネットを介して必要なデータを取り出すこともできる。また、仕事先で撮影した写真を、出張先から編集者に渡すのも夢ではない。

 「NASはいろいろな使い方ができますし、かなり便利なシステムです。これから、もっと利用する人が増えて行くと思いますよ」

 と店員さんに紹介された。

 ここまで言われたら、買わないわけにはいくまい。

 NASには、QNAPの2ドライブモデル「TS-231K」を選び、NAS用3.5インチHDDとしてウエスタンデジタルの4TB HDD「WD RED WD40EFAX」を2台購入した。

 システム全体の金額は、合計で17万7494円になった。

 PC本体が12万618円、NAS一式が5万6876円だ。

 個人的に予算は20万円以内と設定していたので、ずいぶん安くそろえることができたと安心し、古田さんに大いに感謝した。

 壊れたPCはNASがなくて15万円ちょいだったため、PC本体の値段は新型が3万円も安い。

 ただ実際に利用してみないと、良し悪しは分からない。NASだけは手持ちで持ち帰り、PCは組み立てサービスをお願いしたので、後日完成体のPCとして配送してもらった。

QNAP 新たに仕事環境に加わったQNAPの2ドライブNAS「TS-231K」と外付けHDD

生まれ変わった仕事環境 データ保護の戦いは続く

 家に無事届いたPCのセットアップ自体は非常に簡単だった。OneDriveにクラッシュしたPCのデータは入っていたので、すぐにそのままデータをダウンロードすることができた。

BUY MORE がらりと生まれ変わった仕事環境

 CPUクーラーと電源ユニット以外にモーターは使われていないし、静音タイプのケースなので非常に静かだ。長時間作業をしてもPCが熱を持つこともない。

 性能的には問題がなく、液晶タブレットでサクサクと作画をすることができた。CLIP STUDIO PAINTとPhotoshopを同時に立ち上げたり、YouTubeで動画を流しても、動作が鈍ることも全くない。

 ただ、難点というほどではないのだが、グラフィックスカードの出力端子が2つしかなく、メインの液晶ディスプレイと液晶タブレットをつないでしまうと、それ以上はディスプレイを増やせなくなってしまった。

 今まで2台の大画面ディスプレイで作業していたこともあり、少し不便になったと感じた。複数のディスプレイで作業をしたい人は、もう少し高性能なグラフィックスカードか、複数の出力端子を備えたカードを導入した方がいいかもしれない。

 それ以外は何の問題もなく、かなり快適に作業ができている。

 そして今回の目玉となるNASだが、慣れないこともあってセッティングにはかなり手間取り、ネットで調べながらの作業になった。

 HDDをNAS本体にセッティングして、ケーブルでルーターと接続するだけ……ではあるのだが、ログインするのにはかなり時間がかかった。

 とはいえ、接続してしまった後は簡単で、データをFileStationに放り込めばアップロードしてくれる。ただし、大量にデータを移す場合はかなり時間がかかる。こまめに差分を保存する形がよく、描き終えた漫画6ページぶんを移行するくらいなら、ストレスなく行える。

 NASは便利だけど、それでも壊れる可能性がある。結局「1:描いた漫画のデータが壊れないこと」のためには、複数の防衛策を講じるしかない。

 現在、PC内のSSD、NAS、外付けHDD、OneDrive、Amazon Photos(JPEG画像のみ)、と複数の場所でデータを保存している。

 さすがにこれで大丈夫だと思うが、それでも不安になってしまう、デジタル漫画描きの永遠の悩みである。

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