2021年5月7日。緊急事態宣言下で、かつ小雨が降る中で、日中の秋葉原はそれなりに人通りがあった。営業時間を短縮しながらも店を開けるショップが多く、大型連休セールのPOPも方々で見かけた。
1年前の張り詰めた空気と比べると、街の様子は明らかににぎわっている。
それでも、街の様子ほどには売り上げは回復していないと、多くのPCパーツショップで率直な感想を耳にした。
パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「1年前と例年の中間くらいの印象です。1年前と比べると往来は多いですが、グラフィックスカードがないのが苦しいところです。この時期はPCをまるごと一式買う人が多いのですが、それができなくて待ちの空気になっていますよね」という。
パソコンSHOPアークも「メモリやストレージも値上がりしているので、パーツだけでいえば昨年より厳しい状況かもしれません。『それならBTOマシンを、特にノートPCを』という人も多い印象です」と話す。
BTO PCに組み込まれるパーツは流通経路が異なるため、リテール品の単品売りよりも入手しやすい。グラフィックスカード不足の影響は皆無ではないが、現在でもGeForce RTX 3070搭載PCなどが即売で売られているショップもあり、街全体で需要が伸びている様子だ。
ただ、それを加味しても「2020年より下」との声もある。某ショップは「昨年はリモートワーク需要があって、ノートPCやWebカメラなども売れましたから。今年はそういった特需が何もなく、主役を張るグラフィックスカードもなく、いろいろ値上がりもしている。確かにお客さんは増えたけど、ウインドウショッピングが増えただけで。ウチに限っていえば、昨年よりもむしろ下ですよ」と淡々と語っていた。
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