COMPUTEX TAIPEI 2021の会期に合わせて、Micron Technologyがオンラインで基調講演を行い、176層3D NANDフラッシュメモリ搭載のSSDや1αnmプロセスルールのLPDDR4xなど、新製品や次世代製品への取り組みが紹介された。PC関連で気になるトピックを中心にレポートしよう。
クライアント向けのSSDでは、新製品として「Micron 3400」「Micron 2450」が発表された。どちらも現行で業界最多層となる176層3D NANDフラッシュメモリを搭載し、インタフェースはPCIe 4.0 x4に対応する。
ハイエンドのMicron 3400は、従来品(Micron 2300)に比べて読み出しスループットが2倍、書き込みスループットが最大85%向上しているという。
なお、Micron 2300のシーケンシャルリードは毎秒3300MB、シーケンシャルライトは最大毎秒2700MBだ。これから単純計算すると、読み出しは毎秒6600MB、書き込みは最大毎秒4995MBということになる。
一方、Micron 2450 SSDはメインストリーム向けで、一般的なType 2280に加え、小型の2230、2242と3種類のフォームファクターで提供され、柔軟な設計に対応できる。
一方のDRAMについては、まず1αnmプロセスルールが紹介された。DRAM業界ではプロセスルールについて具体的な数字で呼称することを避けており、20nm以下の10nm台のプロセスルールは、これまで「1x」「1y」「1z」と進化してきて、「1α」は4世代目となる。
今回はこの1αnmプロセスルールに関して、既に量産出荷が開始されているDDR4に続き、LPDDR4Xの量産出荷が開始されたことがアナウンスされた。同社によれば、これは世界初であり、1α世代のLPDDR4Xは、1znm世代に比べて消費電力が15%低いという。
LPDDR4Xは、スマートフォンやタブレット、2in1タイプのノートPCなど特にモビリティーの高いデバイスで採用されており、バッテリー駆動時間の延長に貢献しそうだ。
DRAM分野では、DDR4の次世代規格であるDDR5の市場投入が2022年に予定されている。
DDR5では最大バースト長が現行の8から16へと拡張され、最大データレート6400Mbpsを実現する。また、転送効率が改善されることで実効帯域が向上し、DDR5-3200の実効帯域は、現行のDDR4-3200の1.36倍に向上するという。
同社はDDR5プラットフォームを速やかに、広範に導入するためのプログラム「DDR5 Technical Enablement Program(TEP)」を展開し、エコシステムの整備へ取り組んでいる。100社以上のテクノロジー企業から250名以上の設計リーダーが参加しているという。
この取り組みにより、2022年にDDR5対応プラットフォームが市場投入されるとともに、DDR5の普及、DDR4からの以降がスムースに進むと思われる。
最後に組み込み向けのUniversal Flash Storageを見ていこう。
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