Microsoftは10月5日(米国太平洋夏時間)から、コンシューマー向けの永続ライセンスオフィススイート「Microsoft Office 2021」の提供を開始する。Windows版とMac(macOS版)の両方を取りそろえているが、エディションや想定販売価格に関する情報は後日告知される予定だ。
Office 2021は、コンシューマー向けの「Microsoft Office 2019」 の後継製品で、法人向けに9月16日(米国太平洋夏時間)から提供を開始した「Microsoft Office LTSC 2021」をベースとしている。
Office LTSC 2021は、何らかの理由でサブスクリプション版の「Microsoft 365(Office 365)」を利用できない法人ユーザーを対象とするボリュームライセンス製品となる。Windows版は「Windows 10」と「Windows 11」、Mac版は「macOS Big Sur」「macOS 10.15(Catalina)」「macOS 10.14(Mojave)」での動作をサポートする。
インストール自体は、サブスクリプション版と同じ「Click-to-Run」で行われる。そのため、インストールを行う際はインターネットへの接続が必要 となる。アプリで利用できる機能は、リリース時点におけるサブスクリプション版と同様だ。ただし、Microsoft 365のサービスに依存する機能は利用できないか、利用できても機能が大幅に制限される 。
また、永続ライセンス版では更新プログラムによる機能アップデート(新機能の追加)は行われない 。ただし、セキュリティ問題や不具合を解消するための更新プログラムは利用できる。
Office 2021で盛り込まれる主な新機能や機能改善は以下の通り。なお、そのほとんどはOffice 365では実装済みである。
アプリのスタート画面の一新
「リボン」の内容の一新
「メディアストック」の一新
「Microsoft Search」の実装
全体的なパフォーマンスの改善
「描画」タブのリニューアル
アプリの表示言語の追加
イギリス英語(en-gb)
カナダフランス語(fr-ca)
メキシコスペイン語(es-mx)
「OpenDocument 1.3」への対応
「Officeアドイン」におけるJavaScript APIの追加
「Officeテレメトリダッシュボード」の廃止
Microsoft Searchは、あらゆるものを“串刺し”で探せる新しい検索ボックスで、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteに実装される。例えばOutlookなら、1つの検索ボックスからメールの「アドレス(送受信先)」「タイトル」「本文」はもちろん、スケジュールや連絡先を検索できる他、利用したい機能の呼び出しやヘルプトピックの検索までできてしまう
Word、Excel、PowerPoint、Outlookでは、スタート画面を一新してる(画像はPowerPoint)
「XLOOKUP」関数の追加(「VLOOKUP」関数の機能を改善したもの)
動的配列を行う関数(FILTER、SORT、SORTBY、UNIQUE、SEQUENCE、RANDARRAY)の追加・「LET」関数の追加(計算結果や値に名前を付けることで指定しやすくなる)
「XMATCH」関数の追加(「MATCH」関数の機能を改善したもの)
「Power View」の非サポート化
XMATCH関数を利用すると、MATCH関数よりもシート内の項目検索を柔軟に行える(解説サイト より)
「スライドショーの記録」で以下のデータを記録可能に
発表者のビデオ
インク機能で書き(描き)加えた内容
レーザーポインターの軌跡
インクストロークの再生(書き込んだインクを時系列で表示)
「スクリーンリーダー」における要素の読み上げ順序の並べ替え
スライドショーの記録では、発表者のビデオも記録できるようになる。オンデマンドのプレゼンテーション動画を作る際に役立ちそうである
「翻訳ツール」の追加(日本語を含む70言語に対応)
インク機能の追加
受信したメッセージを70言語に機械翻訳できるようになる(左は翻訳前の日本語、右は翻訳後の英語)
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