気になるギミック満載! コンパクトなドキュメントスキャナ「ScanSnap iX1300」を試す(3/4 ページ)

» 2021年10月06日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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スキャンから保存まで流れるような操作性

 それではスキャンしてみよう。本製品の給紙台を開けて電源を入れると、数秒後にScanSnap ManagerをインストールしたPCに本製品とワイヤレス接続したことが通知される。

 ScanSnap Managerを右クリックして原稿をスキャンすることもできるが、ここでは本製品のスキャンボタンを押した。手持ちのiX1500と同じ1枚2秒での読み取り速度なので、特段遅いと感じることはない。ただし、最新のフラッグシップモデルであるiX1600では1枚1.5秒(両面毎分40枚)なので、若干遅く感じるかもしれない。

 スキャンしている様子はこちらの動画で確認してほしい。

スキャン後、ScanSnap Managerのウィンドウがデスクトップに表示され、スキャンした文書をどこに保存するかを確認してくるので選択しよう
ScanSnap iX1300 スキャンしたデータをローカルまたはクラウド上に保存して、どこからでも見られるように設定可能だ。ピクチャフォルダを選べば画像として保存されるが、ScanSnap Homeと連携させることで画像からでもテキスト検索を行える

 保存が完了すると自動的にScanSnap Managerのウィンドウが閉じ、これでスキャンから保存の操作は終了となる。

ScanSnap iX1300 Googleドライブを保存先として選んだ例。スキャンした年月日と時刻を合わせたファイル名でアップロードされているのが分かる。ファイル名の表示形式は変更可能で、スキャン日時+OCRした原稿内の先頭文字列という組み合わせも選べる

 リターンスキャンも試してみよう。厚さは2mmまで、しかもエンボス加工されているカード類でも対応可能とのことなので、手元にある会員カードを手当り次第スキャンしてみた。リターンスキャンではA4用紙の両面を1枚スキャンして排出するのにかかる時間は約5秒だが、カードサイズならアッという間に終わる。

カード斜めに挿入しても、傾き補正が効くのがありがたい
ScanSnap iX1300 斜めに挿入した会員カード。エンボス加工の文字もきちんと読み取れている

 エンボス加工されたカードの場合、加工のある部分とそうでない部分では厚みが異なる。それでも正確に原稿送りできるのは、「ローラーのサスペンションが差異を吸収するから」とのことだ。パスポートの厚みには対応していないが、ほとんどの会員カードやクレジットカード類をスキャン可能なので、カード会社の連絡先やかかりつけの病院の電話番号情報などを控えのために取り込んでおくのもいいだろう。

“チリツモ”のわずかな手間を減らして毎日使いたくなるスキャナに

 本製品を試用していて感動したことがある。それは、給紙台を開けたときのギミックだ。開けて電源オンになる機能は、以前の機種から搭載されていたが、シューターが自動的に展開するのは、ScanSnap史上初だ。閉じるときには自動的に収納される。

 また、スキャンスタートと同時にスキャン後の書類を受ける「スタッカー」が自動的にせり上がり、スキャン前とスキャン後の書類が混ざることはない。給紙台にある全ての書類をスキャンしたら、自動的にスタッカーが収納されるのも心地よい。

 このような機構とUターンスキャンは、2019年9月に発売された業務用ドキュメントスキャナ「fi-800R」のコア技術を転用したものだという。あまり広くない受付カウンターで使えるよう、省スペース化を念頭に作られたfi-800Rを、コンシューマーでも購入しやすいようScanSnapに応用したわけだ。

 これまでのように「よいしょ」と手を伸ばして給紙台や排紙トレーを伸ばしたり、使用後に「ガッチャン」「ガッチャン」と閉じたりしなくてもいいというのは、大したことがなさそうでも手間だと感じており、これならどんどんスキャンして紙の書類を部屋の中からなくせるのでは? と期待に胸が膨らんだ。

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