「Wacom Cintiq Pro 16(2021)」は実際どうなの? プロ絵師がワコムの新型4K液タブをガチレビュー(5/5 ページ)

» 2021年11月10日 12時00分 公開
[refeia,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

まとめ

 ではそろそろ、まとめていきましょう。

気に入った点:

  • 美しいボディー
  • 便利な内蔵スタンド
  • Pro Pen 2の描き味と4K表示のコンビネーション
  • 旧型と入れ替えても違和感なく制作を続けられる
  • Adobe RGBなどの広色域に十分対応できるようになった
  • 3ポート接続で、うまくいかない可能性が減っている
  • VESAマウントの搭載
  • 熱とファンノイズの減少

難点になり得る点:

  • 美しくない接続仕様
  • USB PD非対応
  • ワコムリンク各シリーズに非対応(動く場合はある)
  • 変更点の多くが、運搬しての利用にマイナスに働いている
  • 冷却ファンと表面の熱がなくなったわけではない
  • 旧型に対して先進性は後退するも、価格は据え置き

 Cintiq Pro 16 (2021)は、基礎スペックは同じながらも旧型にあった問題と真面目に向き合い、実用性、快適性の面で大きく進化した機種です。接続は確実で容易になり、発熱とファンノイズの問題もおおむね解決しました。また、VESAマウントの搭載で、しっかりしたスタンドを装着したり、ユーザーが自分で設置を工夫したりする余地も広がりました。

 新規導入として検討する際の懸念点が減っただけではなく、旧型の更新として導入しても大きな障害なく置き換えられ、多くの面で旧型より快適に使うことができるでしょう。

 一方で、接続仕様の先進性という面では大きく後退しており、接続したケーブルが美観を損ねるようになりました。マルチディスプレイの配置によっては、ケーブルとサブ画面が干渉する恐れがあります。

 運びやすい中型機として二拠点制作などの用途で期待していた人も、薄型のモバイルスタンド非対応になり、本体が若干厚く重く(厚さは約22mm、重量は約1.9kg)、ACアダプターも大きくなって替えも効かなくなったので、モビリティーが旧型より悪化していることに注意が必要です。

 依然として、高価なことも検討の障害になり得るでしょう。旧型の改良が主で、基礎的な商品力が上がるわけでもなく4年半を過ごした製品です。価格は税込みで18万4800円(原稿執筆時点のワコムストア価格)で、税抜きで比べると旧型の発売当時と同じです。

 旧型の仕様と比較しても、発売時の社会の技術水準と比べても、2021年モデルはプレミアム性も先進性も、多くの点で低下しています。

 このように、実用的かつリーズナブルな自社の下位機や、実用性を増しつつ4Kに進出しつつある他社の機種の群れに、どちらかというと近寄っている更新に見える点が気がかりです。ですが、依然として16型の王者であることは間違いありません。中型液タブで妥協なく制作したい人には、予算が許せば筆頭の選択肢になるでしょう。

Cintiq Pro 16 2021 新型(右)が2017年に出て、旧型(左)が2021年に出ていたら、その方が「そうだね」って気分になりませんか?
前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  2. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  6. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  7. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  10. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー