HHKB-雪はHHKB HYBRID Type-S、つまり静音モデルがベースとなっている。HHKBは東プレ製の静電容量無接点方式スイッチを採用しているが、両者の入力感はかなり異なる。キーストロークは3.8mmで、1mmほど押し込んだところで押下圧のピーク(45g)を過ぎ、26g程度まで軽くなっていく。その結果、HHKBのタイプ感は押し下げていくとスコン、と入る独特のものになっている。その分、静粛性はやや犠牲になっているところがある。
REALFORCE R3の場合は押下圧のピークを過ぎるのは1.2mm程度と、HHKBよりも深い。その後の押下圧の減少ピークは33g程度と、HHKBほどの変化はない。スイッチが入るポイント(APC)を変更することができるため、設定次第では押下圧ピークがくる前にスイッチオンとなる。
さらに2mm/3mmのキースペーサー(別売)を挿入することでキーストロークを浅くすることも可能だ。そのため、キーをなでるようなタイピングに向いており、静粛性も高い。
あくまで個人の感覚、好みによるところが大きいが、HHKBはクセになるような入力感でキーが入った感覚もしっかり伝わってくるが静粛性はそれなり、REALFORCE R3(静音モデル)はソフトすぎて入力している感覚は乏しいが疲れにくく静か、といったところだろうか。
既にHHKBやREALFORCEを使っている人は、言うまでもなくそれぞれのシリーズを選択するのがよいだろう。だが、初めて高級キーボードを、と考えている人はかなりの悩みどころとなるはずだ。
特にHHKBは少し試用しただけでは「これからずっと付き合っていけるのか」を判断することは難しい。独特のコンビネーション入力を習得してストレス皆無という人もいれば、習得することにストレスを感じるという人もいるからだ。
HHKBの独特の入力感、言い換えればスコスコ感に魅力を感じれば、習得に対する大きなモチベーションにもなる。また、無刻印キートップでスパルタ的にタッチタイピングの習得に励むのもいいし、全キー無刻印を目標として少しずつ無刻印キートップに入れ替えていくのもモチベーションの維持にいいかもしれない。
PFUには、是非とも無刻印キートップの再販を検討していただきたいところだ(3回目)。
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