プロナビ

JEDECが「HBM3」の仕様書を公開 転送速度は毎秒819GBに

» 2022年02月01日 18時30分 公開
[ITmedia]

 メモリの規格を策定する業界団体であるJEDECは1月27日(米国東部時間)、次世代のメモリである「HBM3(High Bandwidth Memory 3)」の仕様書(JESD238)を公開した。HBMは広帯域、低消費電力で、実装面積が狭いところでも比較的大容量を確保できることから、GPUやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)での使用例が多い。またIntelは、次世代Xeonである「Sapphire Rapids」のラインアップに、HBMを内蔵した製品を用意する予定となっている。

Intelは、次世代Xeonである「Sapphire Rapids」のラインアップに、HBMを内蔵した製品を用意する予定だ Intelは、次世代Xeonである「Sapphire Rapids」のラインアップに、HBMを内蔵した製品を用意する予定だ

 HBM3では、データ転送速度を1ピン当たり毎秒6.4Gbpsに引き上げた。これはHBM2の2倍に当たる。この結果、メモリデバイスごとのデータ転送速度は毎秒819GBまで上がった。チャネル数もHBM2の8チャネルから倍の16チャネルに引き上げた。1チャネルを2本の疑似チャネルとして扱えるため、合計で32の疑似チャネルを使える。

HBM3の仕様書公開を知らせるWebページ HBM3の仕様書公開を知らせるWebページ

 HBMの特徴であるTSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)を利用した積層メモリについては、4層、8層、12層に対応し、将来は16層まで対応する。1層当たりのメモリ容量は8Gbitから32Gbitまで対応。メモリデバイスごとの容量は4GB(8Gbitを4層)から64GB(32Gbitを16層)まで実現できる。

 エンタープライズ用途で使用する企業から要望が多い、RAS(Reliability、Availability、Serviceability:信頼性、可用性、保守性)も強化した。「Symbol-Based ECC」という誤り訂正符号の機構をダイ上に実装した他、リアルタイムのエラーレポート機構も搭載した。消費電力の削減も進め、信号の振幅を小さくし(0.4V)、1.1Vで動作する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  7. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  10. レノボ、Ryzen Threadripper PRO 7000 WXシリーズを搭載したタワー型ワークステーション (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー