小型軽量なのにガツンとした重低音を聞かせてくれる新生Shokzの骨伝導イヤフォン「OpenRun Pro」を試す(2/2 ページ)

» 2022年02月21日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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骨伝導イヤフォンとは思えない抜群の臨場感を実現

 「骨伝導イヤフォンの音なんて、たかが知れているよなぁ」などと思いながら、スマホと接続して“いつもの”プレイリストを流してみた。30%程度のボリュームでは、確かに“大したことがない”という感想なのだが、50%まで上げたところ、音がイキイキとし始めた。

 音漏れも極端に近づきすぎない限り気にならないので、在宅ワークや会社などで利用するぶんには回りに迷惑をかけることもないはずだ。

 とはいえ、あまりボリュームを上げすぎると、さすがに振動でユニットと接する部分の振動がむずがゆく感じるし、周囲への音漏れも激しくなる。

 次に、Amazon プライム・ビデオで映画を視聴してみた。たまたま選んだタイトルが「羊の木」で、ベースやドラム、ギターが何度か劇内で演奏されたのだが、骨伝導イヤフォンとは思えないほどベースの音がよく聞こえた。正確に表現すると、OpenRun Pro本体が非常によく震え、その振動がいい感じに頭蓋骨に伝わってきた。

 自動車がどの方向へ走って行ったかといった奥行きもよく表現しており、エンドロールで流れた楽曲内のボーカルも、男女混声であったが、高い声、低い声、どちらもチープさを感じることはない。「骨伝導イヤフォン、侮りがたし」と思わせてくれる製品だ。

 前述のようにアプリこそ試せなかったが、マルチペアリングを使うことはできた。前述の手順で2つのデバイスと接続しておけば、PCで動画を見終わってからスマホで音楽を再生すると、スムーズに接続先が切り替わる。

 PCで動画を見ている最中に電話がかかってきたら、他の多くの通話対応イヤフォンと同様、動画の再生がいったん止まる。OpenRun Proのスピーカーから着信音とともに「誰それ(または電話番号)」という声が聞こえるので、マルチファンクションボタンを短押しで応答可能だ。録音してみたが、意外なほどクリアに音声を拾っていた。

 マイクの品質も同社のビジネス向けヘッドセット「OpenComm」には及ばないが、一般的な通話やビデオ会議などで利用するには過不足なく利用できる。

全体を通して、アプリなしでも十分に使えるという印象を受けた。もっとも、継続的に提供されるファームウェアアップデートなどの恩恵に預かるため、また保証のためにも、アプリの提供が始まったらインストールとユーザー登録は済ませておいた方がよいだろう

メガネ&マスクの干渉も気にならない! 万能イヤフォンとしてお勧め

 OpenRun Proは、耳にイヤフックを引っかけて使う。耳には既にマスクのゴムと、人によってはメガネもかかっており、何かを追加するのは厳しい状態だろう。そのため、「干渉して、最後に引っかけるOpenRun Proが浮いてしまい、耳輪の付け根(耳前切痕というらしい)にぴったりフィットしないのではないか、と心配していた。

 結果から言うと、そのようなことはなく、マスクのゴムで耳の後ろがいつものように痛くなっただけで済んだ。硬さのあるメガネフレームとも干渉しないというのは予想外だった。イヤフック部分の細さやカーブがいいあんばいになっているからなのだろう。

 バッテリーの持ちについても、午後1時頃から電源を入れっぱなしにしておき、30分のアニメ動画を1本、2時間ほどの映画を1本、1時間30分ほど移動や買い物、食事中に音楽を再生する、という使い方をしてみたが(合計4時間)、バッテリー残量は80%だった。こんなに小さいのに「やるな」と思わせてくれるガジェットだ。これまで骨伝導イヤフォンを試してみたけど、なかなか満足がいく製品に出会えなかった人は、ぜひ1度試してみてほしい。

 冒頭で触れたクラウドファンディングでは2月21日まで出資者を受け付けており、価格は2万776円(希望小売価格は税込み2万3880円)だ。ランニングやサイクリングなどのワークアウト中でも外部の音を遮ることなく、音楽などのサウンドも妥協することなく楽しみたいという人はもちろん、長時間のビデオ会議でインイヤー型やオーバーヘッドのイヤフォン/ヘッドフォンで悩まされている人にも朗報だろう。

Shokz OpenRun Pro いかにも、ランニングなどワークアウトを日常的に行う人が着けてそうなパッケージだし、実際、ヘッドバンギングをしても外れたりズレたりすることがないほどフィットするアイテムなのに、試用期間は天候悪化が続いたため、ついぞ走りに行くことができなかった……
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