Appleが「M1 Ultra」を発表 「M1 Max」を2基連結して“スペック2倍”に

» 2022年03月09日 05時15分 公開
[井上翔,ITmedia]

 Appleは3月8日(米国太平洋時間)、Armアーキテクチャベースの自社SoC(System-On-a-Chip)である「Apple M1」に、新しいラインアップ「Apple M1 Ultraチップ」を発表した。M1 Ultraチップは、3月18日に発売される予定の「Mac Studio」に搭載される予定だ。

M1 Ultra Appleが発表した「M1 Ultraチップ」

M1 Ultraチップの概要

 M1 Ultraチップは、Apple M1シリーズの最上位にあった「Apple M1 Maxチップ」を2基連結した“デュアルプロセッサ構成”を取っている。

 従来のPC向けCPUのデュアルプロセッサシステムでは、マザーボード上の回路を介して2基のCPUを連結している。しかし、この構成ではCPU間の通信帯域幅の制限や消費電力の増大といった課題を抱えており、結果として処理の遅延を避けられない。

 そこでAppleは、独自のパッケージアーキテクチャ「UltraFusion(ウルトラフュージョン)」を用いて2基のSoCダイを直接連結することで消費電力の増大を抑えつつ、さらなる処理パフォーマンスの向上を図った。

 UltraFusionの帯域幅は最大毎秒2.5TBで、これは従来のマルチチップインターコネクト技術の4倍以上だという。また、デュアルプロセッサ構成ながらもソフトウェアからは「シングルプロセッサ」として認識されるという。そのため、ソフトウェア開発者はプログラムをマルチプロセッサのために書き換える必要がない。

隠し機能UltraFusion M1 MaxチップのSoCダイには、実は互いを直接連結するための機構が「隠されていた」。この機構は「UltraFusion」と呼ばれる
UltraFusionは帯域幅広い UltraFusionの帯域幅は最大毎秒2.5TBで、従来のマルチチップインターコネクト技術の4倍以上だという。非常に高速なこともあり、デュアルプロセッサ構成でありながらソフトウェア側からはシングルプロセッサとして認識されるようにすることでプログラム上の手間を掛けないように工夫されている

 構造が構造だけに、各種スペックは基本的に「M1 Maxの2倍」だと考えればよい。主要な諸元は以下の通りだ。

  • トランジスタの数:約1140億個
  • CPUコア:20基(パフォーマンスコア16基+効率コア4基)
  • GPUコア:最大64基(実行ユニット:最大8192基)
    • 「Apple M1チップ」比で最大8倍のパフォーマンス
  • ニューラルコア:32基
    • 毎秒22兆回の命令処理が可能
  • ユニファイドメモリ(メインメモリ兼グラフィックスメモリ):最大128GB
    • メモリ帯域幅:最大毎秒800GB
  • メディアエンジン:デコード2基+エンコード4基+ProResエンコード/デコード4基
    • H.264/HEVC(H.265)/ProRes/ProRes RAWに対応
  • 外部ポート:Thunderbolt 4(USB4)対応
チップのイメージ M1 Ultraのチップイメージ。姿からも何となく分かるが、各種スペックは基本的に「M1 Maxの2倍」だと思えば良い
GPUパフォーマンス Core i9-12900K+GeForce RTX 3060 Tiを搭載するPCと比べると、3分の1の消費電力で最大のGPUパフォーマンスを発揮できるという
マップ M1 Ultraチップの特徴まとめ

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