続いて、クリエイティブ集団「THINK & SENSE」と「CONDENSE」が、IntelのOpenVINOツールキットを活用して制作したミュージック・ビデオ「Break The Bias」を例に、ビデオ制作者自身が解説するワークショップが開催された。
ティーアンドエス THINK AND SENSE部 エンジニアの谷崎文香氏は、「物体認識、セグメンテーションを用いて、特定の物体のみ検出映像としてのマスクを生成し、書き出すシステムを構築した。映像制作ソフトでOpenVINOが書き出した映像にリアルタイム合成を行い、例えば人間だけにエフェクトをかけたり、逆に背景のみにエフェクトをかけたり、といったことが容易になった」と述べた。
CONDENSEのToyotaka氏は、手や腕、足を激しく動かしても、OpenVINOが瞬時に人だと認識できる点をアピールした。「手で四角形を表現すると、人ではなくスマートフォンや別の四角いモノだと認識される」とのことだ。
こびとのくつ 代表取締役社長の工藤美樹氏は、自身の制作環境を交えつつ作品を紹介した。
「ベースはアナログなんですが、そこにあのデジタル(画像処理)というか、レタッチという仕事をしている。レタッチというと、例えば肌修正などの加工をイメージされるかもしれないが、私の場合はその画像の修正だけではなくて、1つのクリエイションとして絵を作り上げていく、これが仕事の中心となっている。大きなポスターサイズのデータも扱っていて、1ファイルが45GB近くもあるサイズなので、必然的にデスクトップPCやハイスペックなPCを選ばなければならない。また、1年のうち360日はアドビのPhotoshopを起動しているため、サーバ並みの安定性と耐久性が必要になる。他にもタブレットや、色の評価をするためのモニターを活用している」(工藤氏)
Blue Carpet Projectの今後だが、「Tokyo International Projection Mapping Award」や、「理工系学生アートコンペティション壁FES(工学院大学)」も行われる。7月7日には「EIZOイラストコンテスト」を開催予定だ。詳細はBlue Carpet Projectの特設サイトにて案内される。
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