Appleは6月6日(米国太平洋夏時間)、Apple Watch向けの新OS「watchOS 9」の概要を発表した。開発者向けのプレビュー版は同日から、パブリックβ版は7月中に配信される。製品版は2021年秋に登場する予定だ。
【訂正:11時】初出時、「心房細動」とすべき部分を「心室細動」と記載していました。おわびして訂正いたします
watchOS 9の主な新機能や機能改善は以下の通り。
watchOS 9では、新しいウォッチフェイス(時計盤)として「Lunar」「Playtime」「Metropolitan」「Astronomy」が実装される
Lunarは太陽暦(グレゴリオ暦)と太陰暦の関係性にフォーカスした新しいウォッチフェイスだ。太陰暦は現在でも中国暦、イスラム暦、イスラム暦で使われているので、これらの暦を採用する国/地域で暮らす人にはなじみが深いワークアウトアプリでは、主にトライアスロン選手の利用を想定したワークアウト「マルチスポーツ」が追加される。その名の通り、スイミング、サイクリング、ランニングをモーションセンサーで自動的に切り替わるようになっていることが特徴で、各ワークアウトが終わると結果の概要が表示されるようになっている。スイミングのワークアウトでは、キックボードの使用を自動的に認識する機能も追加された。
また、ワークアウトのパフォーマンスをより精密に計測できるための改善が施される。この改善は有能なアスリートから着想を得たものだという。加えて、デジタルクラウンを回すとワークアウトのセッションをより分かりやすく表示できるようになる他、自分でカスタマイズしたワークアウトを作成する機能も追加される。
モーションセンサーを活用してランニングのフォーム(姿勢)を評価する「ランニングフォーム指標」の表示機能も新規実装される。評価の履歴はフィットネスアプリの概要とヘルスケアアプリで表示できる。
一部の国/地域において一部のApple Watchで利用できる心電図アプリにもアップデートがある。
米国において心房細動(AFib)と診断された場合、ユーザーは心電図アプリにおいて心房細動の履歴を取得できる機能を有効化できるようになる(22歳以上に限る)。心房細動の兆候が現われたおおまかな頻度や、その原因と思われる生活習慣関連因子をヘルスケアアプリから確認できるという。この情報はPDFをダウンロードすることで医師とも共有できるようになっている。
watchOSには「服薬アプリ」が新たに実装される。飲んでいる薬の情報と服薬スケジュールを事前に設定しておくと、服薬のリマインドをしてくれるようになる。薬やビタミン剤、サプリメントの管理も行える。
なお、このアプリはiOS 16にも追加される。
その他、watchOSでは主に以下の新機能が実装される。
watchOS 9は、iOS 16を搭載するiPhoneとペアリングした「Apple Watch Seires 4」以降のApple Watch(Apple Watch SEを含む)で利用できる。ただし、一部の新機能はモデル限定、あるいは国/地域限定で提供される場合があるので注意したい。
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