ようやく行動制限が解除され、人の往来が以前のようになりつつある。その一方で、コロナ禍以降にテレワーク/在宅ワークが広まった。東京都産業労働局が公開している「テレワーク実施率調査結果」によると、2022年2月の段階で62.7%の企業がテレワークを導入していて、その中で週3日以上のテレワークを実施している企業は51.2%に上るという。
現状では出社に切り替わってきたという人もいるだろうが、出先や自宅で仕事を定期的にこなしたりするハイブリッドワーク環境の人も多いだろう。このような状況では、引き続き家の中で仕事場所を確保することが重要になってくる。
かくいうフリーライターの筆者は、合同会社代表の妻ともども家で仕事をしているので、ダイニングテーブルにノートPCを置いて作業するのが日常だ。こういった環境で仕事をしていると、どうしてもお互いが気になるし、集中して仕事ができているかというと正直微妙だ。
同じ部屋にいるとしても、できるだけ1人になれる環境が欲しくなる。特に困るのがWebミーティングで、別室にある物置部屋の机に移動して会話をしたりする始末だ。
各家庭で事情はさまざまだろうが、1人になれるブースが欲しいという声は多かったようで、2020年のテレワーク/在宅ワークの広まり以降に各社から個人用のブースが発売された。その中からピックアップしてPC USERでレポートしたのは「KOMORU」「Think Lab HOME」「オレルタ」の3つだ。
オレルタは木製でしっかりしていて、観音開きでパネルを開けて使うため、仕事が終わったらパタンとたたんでしまえるのが利点だ。しかしその分デスク面の奥行きが狭いゆえ、液晶ディスプレイを置いて作業するのはかなり厳しく、ノートPCを使う形となる。また、せっかく有孔ボードがあるのに、たたんで片付けるときにデスク面などにあるケーブルが引っかかって干渉する場合もあり、その利点を生かし切れていなかった。
Think Lab HOMEは価格が1万6500円(税込み、以下同様)と手頃な上、段ボールで作られているため、その重量も約5kgと軽いのが利点だ。しかも液晶ディスプレイを難なく置くことができたので、デスクトップPCも利用できる。
しかし、一番の難点は揺れることだ。本体下部の剛性が保たれていないせいで、キーボードを入力するとユニット自体が左右に揺れてしまう。段ボールという手軽な素材でエコに作られているというメリットがあるので、これさえ解決できればよかったのだが……。
その点、KOMORUはさすがにパナソニック製というか、重量のある木製で、ちょっとやそっとで動かないほど剛性も保たれており、とても使いやすかった。有孔ボードを利用して、ヘッドフォンなどを引っかけておけるのもよいところだ。
最大の難点は価格で、2020年12月3日までの期間限定で販売していたため今はもう購入できないが9万6800円だった。そのぶん、試した3製品の中で一番使いやすいのはKOMORUで、パーティションも適度な高さがあり、仕事に集中できるのはこれだと思った。
そして最近登場したのが、今回紹介するサンワサプライ製の「パネルデスク(100-DESKF040M)」だ。木製パネルを組み合わせて作るタイプで、同社がこれまで発売してきたような、スチール製PCデスクなどのノウハウが投入されているのだろうという想像がつく。1m四方のスペースがあれば、何とか設置できそうなコンパクトさも魅力だ。
その作りといい、1人でこもれそうな感じといい、気になるものがあった。しかも価格は1万9800円と、これまで紹介してきた中ではやや高い価格帯に位置するが、PCデスクとしては求めやすい範囲内だ。
そこで、今回はこのパネルデスクについて、試用した感触を含めてお届けしよう。
本製品は、宅配業者から2個口で到着した。内容は、左右の側面を構成する4枚のパネルが入っている「A梱包」、天板や背面の板、上下に取り付ける棚がセットになった「B梱包」の2つだ。もっとも、A梱包が約24.9kg、B梱包が約17.5kgと、トータルの重量が約42kgというかなりのヘビー級なので、1人で運ぶのには苦労した。
本体の組み立てだが、取扱説明書の順番にたどっていけばきっちりと作れるようになっている。板や取り付け用のナットには番号のシールが貼られており、どれとどれを組み合わせていけばよいのかすぐに分かる。ボルトは六角のものだが、付属の六角レンチがあるので大丈夫だ。
なお、ボルト類のスペアはないので、なくさないようにしよう。
本体は、成人男性ならほとんど1人で作り上げることができる。ただ、当初は逆さにした状態で組み上げていき、完成したら上下を反転させるのだが、その際は2人での作業が必要だ。また、棚を下側に取り付ける際は作業スペースが限られる関係で、やや手間取った。
作業の様子はYouTubeにもアップされているので、作業の前に見ておくことをオススメする。
組み上がったところで、実際に使って見よう。
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