新ベアボーンをテスト! ASRock DeskMeet B660/X300を試す【後編】容積8Lで拡張性も十分(2/3 ページ)

» 2022年06月20日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]
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CPUとストレージのテスト

 ベンチマークテストの結果を見ていく。調達の都合上、CPUの価格帯や性質が違うので、どちらが優れているという比較ではなく、あくまで参考として見てほしい。比較対象として、Core i7-9750H(6コア12スレッド、2.6GHz〜4.5GHz)とGeForce GTX 1650(グラフィックスメモリは4GB)を搭載した旧世代のゲーミングノートPCの数字も記載している。

 CINEBENCH R23は、シンプルにCPUの馬力を見るテストだ。CPUスコアはマルチスレッド性能、CPU(シングルコア)はシングルスレッド性能の目安になる。スコアを見ると、それぞれのCPUのスコアの標準からはやや低い。旧世代PCを圧倒しているように、スペックなりのスコアは出せている。

 ストレージのテストは、CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)で行った。PCIe 4.0に対応しているB600の方は、ほぼ公称値どおりのスコアがでており、しっかり本来の性能を引き出しているといえる。

 一方、X300では、CPU/チップセットともにPCIe 3.0までの対応のため、シーケンシャルリード/ライトとも毎秒3500MB弱で頭打ちになっている。これは仕様的に仕方がないところだ。なお、今回はSSDにヒートシンクは特に付けていないが、CPUクーラーのエアフローが届く位置関係でもあり、動作に問題は見られなかった。

DeskMeet B660 DeskMeet X300 テストに利用したシステムの主なスペック
DeskMeet B660 DeskMeet X300 CINEBENCH R23のスコア比較
DeskMeet B660 DeskMeet X300 CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア(DeskMeet B660/Core i5-12400F)
DeskMeet B660 DeskMeet X300 CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア(DeskMeet X300/Ryzen 7 5700G)

定番ベンチマークテストのスコアも優秀

 PCMark 10は、実際のアプリケーションを使って、PCの各用途をシミュレートする内容だ。日常操作(Essentials)、オフィス作業(Productivity)、クリエイティブ/コンテンツ制作(Digital Content Creation)の3種類のスコアと総合スコアが出るが、ご覧の通り比較用PCをどの項目でも圧倒している。

DeskMeet B660 DeskMeet X300 PCMark 10のスコア比較

 3DMarkは、3D描画性能を見るテストだ。ゲーム性能の目安にもなる。Fire Strike(DirectX 11ベース)、Time Spy(DirectX 12ベース)、Port Royal(DXRベース)と3種類のテストを実行した。

 ベンチマークテストの配布元であるUL Benchmarksのデータによると、計測当時Radeon RX 6660を搭載したシステムのアベレージスコアは「8291」。B660とX300ともにアベレージは超えており、しっかりと能力を引き出せていることが分かる。

 なお、Fire Strikeのみ少しX300のスコアが高いが、これに含まれる「Physics」の項目はCPUのマルチスレッド性能が反映されるため、その影響だろう。

DeskMeet B660 DeskMeet X300 3DMarkのスコア比較
DeskMeet B660 DeskMeet X300 DeskMeet B660で計測したTime Spyのスコア。Radeon RX 6660を搭載したシステムのアベレージ「8291」を超えるスコアが出ている

 FINAL FANTASY XIV:暁のフィナーレベンチマークのスコアは、逆にB660システムの方が結果が良かった。描画負荷が比較的軽いため、上位になるとCPU性能、特にシングルスレッド性能が反映されやすい傾向があるので、その影響と思われる。いずれにしても最高評価の「非常に快適」であり、比較用PCも大きく上回っている。

 クリエイティブアプリでの性能を見るため、UL Procyon Benchmark Suitesも実行した。アドビのPhotoshop、Lightroom Classicを利用して写真編集を行う「Photo Editing」と、アドビのPremiere Proを利用した映像編集のテストである「Video Editing」を実行した。

 ここではCore i5-12400F搭載のB660の方がRyzen 7 5700G搭載のX300よりも良い結果になっているが、いずれにしても旧世代PCからは大きなアドバンテージがある。

DeskMeet B660 DeskMeet X300 FINAL FANTASY XIV:暁のフィナーレベンチマーク(1920×1080ドット、最高品質)のスコア比較
DeskMeet B660 DeskMeet X300 UL Procyon Benchmark Suitesのスコア比較

 テストをしていて少し気になったのは、スコアが少しバラついていたことだ。今回は室温が26度前後と少し高めであったこともあり、同じテストを間隔を詰めて実行した時などに1割前後スコアが下がることがあった。

 原因は放熱設計だろう。ケースの外側へダイレクトに排気するケースファンを搭載していないため、構造的にシステム全体のエアフローは良いとは言い難い。

 今回は右側面から約40cmの距離からサーキュレーターで微風を当てた状態で計測したスコアを最終的に記載しているが、これからの季節、室温が高めの場所で使うには何らかの配慮はした方がよいと思われる。USB接続のファンを近くに設置したり、ノートPCスタンドなどを使って底面を少しかさ上げするだけでも吸気が効率化されるため効果がありそうだ。

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