NECブランドで“久しぶり”のゲーミングPC誕生!? 「LAVIE GX」発表会レポート(1/2 ページ)

» 2022年07月06日 14時00分 公開
[今藤弘一ITmedia]

 既報の通り、NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は7月5日、ゲーミングデスクトップPC「LAVIE GX」を発表した。想定販売価格(税込み)は、量販店モデルが21万9780円から、直販モデルが19万4700円からとなっている。

 同日、NECPCはLAVIE GXの製品発表会を開催した。この記事では、LAVIE GX登場の背景など、発表会で語られたことをお伝えする。

LAVIE GX LAVIE GXの量販店向け上位モデル「GX750/EAB」(ディスプレイ、スピーカー、マウスぱど、ヘッドセットスタンドは別売)

NECの“初代”ゲーミングPCは「PC-9801」

川島氏 NECPCの川島良輔執行役員

 今回の発表会では、NECPCの川島良輔執行役員と「Project Engine(炎神)」の総合プロデューサーを務める森部浩至氏が登壇してプレゼンテーションを行った。

 「Project Engineって何?」と思った人に補足説明すると、Project Engineは2019年8月にNECPCが突如発表したゲーミングPC開発プロジェクトだ。“Engine"は、かつて日本電気ホームエレクトロニクス(NEC-HE、※1)が製造/販売していた「PCエンジン」にちなんでいる。

(※1)同社は2000年3月をもって事業を終了した。PCエンジンに関する権利は現在、ビッグローブ(旧NECビッグローブ)とコナミデジタルエンタテインメント(旧ハドソン)の2社が保有している

Project Engine 2018年8月に突然発表された「Project Engine」。そのロゴはNEC-HEがかつて製造/販売していたPCエンジンのそれをモチーフとしていた。そのため、当時のロゴを知っている人は「あ、NECPCもゲーミングに取り組むんだ」とすぐに察することができた

 NECPCはゲーミングPC市場では明らかな“後発組”である。しかし川島氏は「(NECブランドの)初代ゲーミングPCはPC-9800シリーズだという認識なので“再参入”」だとする。

 昔のPCをよく知る人の中には「もっとコアなゲームを楽しめたPCもあるだろう!」という意見もあるかもしれない。しかし、確かにPC-9800シリーズには多くのサードパーティー製ゲームタイトルがそろっていたので「ゲーミングPC」と言えなくもない。

 そんなPC-9800シリーズは、2022年で誕生から40周年を迎える。LAVIE GXはProject Engineの商用初号機という位置付けはもちろんだが、「PC-9800が誕生してから40周年といういいタイミングなので発表」(川島氏)された記念すべきモデルでもあるのだ。

PC-9801 発表会場の片隅に展示されていた、1982年発売「PC-9801」。これがPC-9800シリーズの“ルーツ”である
PC-9801VM11 こちらは1988年に発売された「PC-9801VM11」。本機を含むPC-9801VMシリーズはリリース時期によってボディーデザインが異なり、このVM11は後期型のデザインとなる。これを見た編集者は「え、VMってこんな(当時としては)モダンなボディーのモデルもあったんですか」と驚いた(編集者は前期型のPC-9801VM2を持っていた)

買ってすぐに遊べるエントリー向けゲーミングPC

森部氏 Project Engineの総合プロデューサーを務める森部浩至氏

 今回発表されたLAVIE GXは、エントリーゲーマー向けのデスクトップPCだ。そのためPC本体だけでなく、マウスとキーボードはもちろんのこと、日本マイクロソフト製の「Xbox ワイヤレス コントローラー + USB-Cケーブル」とエレコム製有線ヘッドセットも付属する。ディスプレイさえ手元にあれば、すぐに使えることが特徴だ。

 ゲーミングPC市場において、特にコアゲーマー向け製品は既に多くの選択肢が用意されている。そのこともあり、LAVIE GXでは「これからPCゲームに興味を持って始めたいというエントリーユーザー」(森部氏)にフォーカスしたという。「レトロゲームで育った元ゲーマーパパが、就職して子育てをし、子供がある程度大きくなって一段落したときに欲しくなるPC」を目指し、ゲーム実況などでPCゲームに興味を持ったZ世代にもアプローチできる製品に仕上げている。

ターゲット層 LAVIE GXのメインターゲットはエントリーゲーマー。中でも、レトロゲームで育った「元ゲーマーパパ」とゲーム実況を見てPCゲームに興味を持った「Z世代(20〜30代)」を重要視しているという

 LAVIE GXのリリースに当たって、NECPCがヒアリングを行った所、家庭用ゲーム機に慣れ親しんだ人がゲーミングPCを買おうとすると「選択肢があまりにも多くて何を買ったらいいのか分からない」「ゲーミングPCは高額なので失敗したくない」といった悩みを抱えがちであることが分かったという。

 そこでLAVIE GXは、家庭用ゲーム機と同じような感覚で、購入したらすぐに遊べることをコンセプトに据えることになった。ゆえに、ハードウェアだけでなくコンテンツやサービスをオールインワンで提供する形態を取ることになった。

 本体デザインも“和モダン”をモチーフとして、「五崩し」という和柄にクールホワイトの白色LEDライトを配置した。ゲーミングPCにありがちなRGBライティングとは一線を画している。森部氏は「七色に光らないので『普通のPC』として買って、ゲームも楽しめるという感じなので奥さんの了解も取りやすい」と語る。

悩み ヒアリングを通して分かったエントリーPCゲーマーの悩み。選択肢が多いことは、常に正義とは限らないのである
デザイン ボディーデザインは、リビングに置いても違和感のない落ち着いたものとした。従来のゲーミングPCから一線を画す感じもするが「元ゲーマーパパ」にとってはありがたいような気もする

 ただし、ゲーミングPCだけに「速さは正義」(森部氏)である。そのこともあり、CPUは最新の第12世代Coreプロセッサを搭載し、店頭モデルの上位モデルはグラフィックスカード(GPU)にGeForce RTX 3060を採用している。エントリー向けとしては十分なスペックを備えているといえる。

 加えて、LAVIE GXにはXbox ワイヤレス コントローラーを付属する他、「Xbox Game Pass Ultimate」の3カ月無料利用権も付属する。これは買ってすぐにゲームを楽しめるようにするための配慮だ。

サクサク エントリー向けとはいえ、スペックが低すぎては話にならない。LAVIE GXでは必要十分な快適さをもってゲームを楽しめるようなスペックとなっている
全部付属 一般的な完成品のゲーミングデスクトップPCでは、本体、電源ケーブルと説明書類以外に付属品がないことも珍しくないが、LAVIE GXではPCとして使う上で必要なものがディスプレイ以外全て付属する。ゲームコントローラーやヘッドセットも付属することで、PCゲームデビューの敷居をより下げる工夫もしている
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