既報の通り、NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は7月5日、ゲーミングデスクトップPC「LAVIE GX」を発表した。想定販売価格(税込み)は、量販店モデルが21万9780円から、直販モデルが19万4700円からとなっている。
同日、NECPCはLAVIE GXの製品発表会を開催した。この記事では、LAVIE GX登場の背景など、発表会で語られたことをお伝えする。
今回の発表会では、NECPCの川島良輔執行役員と「Project Engine(炎神)」の総合プロデューサーを務める森部浩至氏が登壇してプレゼンテーションを行った。
「Project Engineって何?」と思った人に補足説明すると、Project Engineは2019年8月にNECPCが突如発表したゲーミングPC開発プロジェクトだ。“Engine"は、かつて日本電気ホームエレクトロニクス(NEC-HE、※1)が製造/販売していた「PCエンジン」にちなんでいる。
(※1)同社は2000年3月をもって事業を終了した。PCエンジンに関する権利は現在、ビッグローブ(旧NECビッグローブ)とコナミデジタルエンタテインメント(旧ハドソン)の2社が保有している
NECPCはゲーミングPC市場では明らかな“後発組”である。しかし川島氏は「(NECブランドの)初代ゲーミングPCはPC-9800シリーズだという認識なので“再参入”」だとする。
昔のPCをよく知る人の中には「もっとコアなゲームを楽しめたPCもあるだろう!」という意見もあるかもしれない。しかし、確かにPC-9800シリーズには多くのサードパーティー製ゲームタイトルがそろっていたので「ゲーミングPC」と言えなくもない。
そんなPC-9800シリーズは、2022年で誕生から40周年を迎える。LAVIE GXはProject Engineの商用初号機という位置付けはもちろんだが、「PC-9800が誕生してから40周年といういいタイミングなので発表」(川島氏)された記念すべきモデルでもあるのだ。
今回発表されたLAVIE GXは、エントリーゲーマー向けのデスクトップPCだ。そのためPC本体だけでなく、マウスとキーボードはもちろんのこと、日本マイクロソフト製の「Xbox ワイヤレス コントローラー + USB-Cケーブル」とエレコム製有線ヘッドセットも付属する。ディスプレイさえ手元にあれば、すぐに使えることが特徴だ。
ゲーミングPC市場において、特にコアゲーマー向け製品は既に多くの選択肢が用意されている。そのこともあり、LAVIE GXでは「これからPCゲームに興味を持って始めたいというエントリーユーザー」(森部氏)にフォーカスしたという。「レトロゲームで育った元ゲーマーパパが、就職して子育てをし、子供がある程度大きくなって一段落したときに欲しくなるPC」を目指し、ゲーム実況などでPCゲームに興味を持ったZ世代にもアプローチできる製品に仕上げている。
LAVIE GXのリリースに当たって、NECPCがヒアリングを行った所、家庭用ゲーム機に慣れ親しんだ人がゲーミングPCを買おうとすると「選択肢があまりにも多くて何を買ったらいいのか分からない」「ゲーミングPCは高額なので失敗したくない」といった悩みを抱えがちであることが分かったという。
そこでLAVIE GXは、家庭用ゲーム機と同じような感覚で、購入したらすぐに遊べることをコンセプトに据えることになった。ゆえに、ハードウェアだけでなくコンテンツやサービスをオールインワンで提供する形態を取ることになった。
本体デザインも“和モダン”をモチーフとして、「五崩し」という和柄にクールホワイトの白色LEDライトを配置した。ゲーミングPCにありがちなRGBライティングとは一線を画している。森部氏は「七色に光らないので『普通のPC』として買って、ゲームも楽しめるという感じなので奥さんの了解も取りやすい」と語る。
ただし、ゲーミングPCだけに「速さは正義」(森部氏)である。そのこともあり、CPUは最新の第12世代Coreプロセッサを搭載し、店頭モデルの上位モデルはグラフィックスカード(GPU)にGeForce RTX 3060を採用している。エントリー向けとしては十分なスペックを備えているといえる。
加えて、LAVIE GXにはXbox ワイヤレス コントローラーを付属する他、「Xbox Game Pass Ultimate」の3カ月無料利用権も付属する。これは買ってすぐにゲームを楽しめるようにするための配慮だ。
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