続けて、本体内部を詳しく見ていこう。本体背面にある手で回せるネジを2つ取り外せば左側面のパネルが外れるので、アクセスは非常に容易である。
CPUは12コア20スレッド構成の「Core i7-12700F」を搭載している。コアとスレッドの数が一致しないのは、マルチスレッドに対応するパフォーマンスコア(Pコア)と、対応しない効率コア(Eコア)を組み合わせたハイブリッド構造だからだ。Pコアは8基16スレッド(2.1GHz〜4.8GHz)、Eコアは4基4スレッド(1.6GHz〜3.6GHz)というパワー重視の構成となっている。
型番に「F」が付いていることからも分かる通り、このCPUは内蔵GPUを搭載していない。映像を出力するにはグラフィックスカードが必須となる。
メインメモリはDDR4-3200規格の8GB DIMMが2枚(合計16GB)、ストレージは1TBのM.2 SSD(PCI Express)が搭載されている。マザーボードは自社製で、Intel B660チップセットを備える。このレビュー機では、メモリモジュールはSamsung Electronics(サムスン電子)製、SSDはキオクシア製のものを搭載していた。
CPUやチップセット自体は、より高速なDDR5規格のメモリにも対応している。先日行われた発表会で担当者に「なぜDDR5メモリではないのか?」と尋ねた所、コストの兼ね合いからDDR4規格としたとの返事が寄せられた。確かにDDR5規格のメモリモジュールは高価なので、「ゲーミングPCのエントリーモデル」という位置付けを考えると妥当な判断だといえる。
グラフィックスカードは、NVIDIAの「GeForce RTX 3060」(グラフィックスメモリは12GB)を搭載するものがPCI Express 4.0 x16スロットに装着されている。比較的落ち着いたデザインだが、GPU-Zの情報によると、このカードはLenovo製のようだ。
NECPCはLenovoの傘下にある。その協業の成果が見えるポイントである。
LAVIE GXには、キーボードやマウスに加えて「ゲーミングスタートセット」としてエレコム製のヘッドセットとMicrosoft製の「Xbox ワイヤレスコントローラー + USB-Cケーブル」も付属する。NECPCの担当者によると、ゲーミングPCのエントリーモデルとして「買ってすぐに遊べる」ということを重視したことから、これらを付属することにしたのだという。
なお、直販モデルの「LAVIE Direct GX」では、ゲーミングスタートセットはオプション扱い(標準構成にプラス1万3200円)となっている。ヘッドセットやゲームパッドを既に持っているという人は、直販モデルの方が無駄を省ける。
キーボードは頑丈な作りで、それなりの重さもある。打った際もしっかりと反応してくれる。キーピッチは実測で約19mm、キーストロークは約4mmと深いので、筆者としては打ち心地がよい。ほどよい反発感があるのが好印象だ。
キーボードから伸びているケーブルは、標準では左向きに出ているが、右向きに変えることもできる。自分の環境に合わせて、ケーブルの出す向きを変えられるのはうれしい。
ヘッドセットは比較的小柄である。しかし、しっかりとした音を聞かせてくれて、ゲームの臨場感あふれる音場を再現できる。発表会で見た時は、正直いってあまり期待していなかったのだが、PCに付属するヘッドセットとしては良い音を出す部類に入ると思う。ブームマイクの品質も気になる所だが、これも良い。ボイスチャットを利用しても、違和感は全くなかった。
ただし、最近のゲーミングヘッドセットは「7.1chバーチャルサラウンド」「ノイズキャンセリング」といった付加機能を備えるものが増えてきている。付属のヘッドフォンで満足できなくなってきたら、他のデバイスを探してみるのもよいだろう。
付属のマウスについては「MouseTester」を使ってポインタの精度を計測してみた。解像度(dpi)が不明だったので、ひとまず400dpiの設定でテストした結果が以下のグラフだ。横軸は時間で、縦軸がマウスの移動距離となる。
グラフを見てみると、移動速度が最高となる頂点部分ではブレが多く、マウスの素早い移動にセンサーが追いついていないことが分かる。FPS(一人称視点のシューティングゲーム)やTPS(三人称視点のシューティングゲーム)など、素早いマウスさばきが求められるゲームをプレイする場合は、ゲーミングマウスを別途購入した方が良いかもしれない。
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