既報の通り、米Intelは9月12日(イスラエル時間)から3日間に渡り、イスラエル国内にある同社の施設などを巡りつつ最新の取り組みをメディア関係者に紹介する「Intel Technology Tour 2022」を開催した。
同地で開発された製品が初めて世に出たのは、1979年に発売された「Intel 8088」である。しかし、拠点の開設はその5年前の1974年にまでさかのぼる。人材募集をしていた1973年頃はちょうど「第4次中東戦争」の真っただ中で、地政学的にイスラエルとその周辺はかなり不安定な頃合いだった。ある意味で“手探り”でのスタートだったといえる。
この記事では、ツアーのプログラムの1つである、研究所(ラボ)見学の模様をお伝えしよう……と思ったのだが、その内容自体が非公開ということで、記事として掲載することができない。
その代わりということで、Intelは「研究内容の“概要”」を伝える、公開可能なデモンストレーションを複数実施した。このデモは、CPUを始めとするIntel製品の“将来像”を見通すには十分な内容であった。研究所見学記の代わりに、その内容をお伝えする。
前回の記事でもイスラエルにおけるIntelの概要は説明したが、厳密には同国内における同社の拠点は北部の「ハイファ(Haifa)」、テルアビブ郊外の「ペタチクバ(Petah Tikva)」、東部の「エルサレム(Jerusalem)」、中南部の「キリヤットガット(Kiryat Gat)」の4カ所に分散されている。今回のツアーで見学できたのは、主にハイファにある「Islael Development Center(IDC)」である。
IDCはイスラエルにおけるIntelの研究開発(R&D)を担う拠点で、元々は「Israel Design Center」という名称だった。開設当初はCPU(プロセッサ)の設計を担当していたが、現在は他のハードウェアや関連ソフトウェアのR&D業務も包括的に担うようになった。加えて、昨今では同国で生まれつつあるスタートアップ企業や最新技術を吸収して、自社製品の開発にフィードバックするような“ハブ”のような役割も果たしている。
IDCが「Israel “Design” Center」から「Israel “Development” Center」となったのは、このように果たす役割の拡大を受けたものである。
ここからは、研究内容の概要を紹介するデモンストレーションの模様を見ていこう。
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