iPadシリーズよりも縦長な画面は、動画再生時に有利だ。画角が16:9の動画なら、上下の黒枠が少なく、見栄えがよい。テーブルに置いても圧迫感が少ない。画面サイズも程よい大きさで、2〜3人で囲んで動画を視聴するのに適している。
本体には左右両端に2基ずつ計4基の「クアッドステレオスピーカー」を搭載する。「Dolby Atmos」方式のサラウンド再生にも対応しており、内蔵スピーカーでもステレオヘッドフォンでも迫力のある音声が楽しめる。
クアッドステレオスピーカーによる音響は、特に高〜中音域がクリアに聞こえる。ニュース番組のナレーションは聞き取りやすく、映画のピアノ伴奏シーンも情感を繊細に表現できる。低音の迫力は控え目な印象だが、長時間聞いていても疲れにくい。
動画視聴に手頃なサイズ感と、適度なオーディオ再生性能を備えるOPPO Pad Airだが、「惜しい」と思う点もある。
まず、HDR(ハイダイナミックレンジ)再生に対応していない。HDR対応コンテンツを対応デバイスで視聴すると、映像の明暗差がハッキリと分かるのだが、OPPO Pad Airでは動画の暗い部分が若干見えづらい。特に有機ELディスプレイを搭載するHDR対応スマホ/タブレットの映像に慣れていると、見劣りはするのは否めないだろう。
また、ディスプレイのリフレッシュレートは60Hzで、いわゆる“倍速液晶”ではない。画面のスクロールは「カクカク」ではないが「ヌルヌル」でもない。
加えて、3.5mmオーディオ(イヤフォン/マイクコンボ)ジャックも搭載していない。ヘッドフォンやイヤフォンを使いたい場合は、USB Type-C接続のUSBオーディオに準拠したものか、Bluetooth接続のものを用意する必要がある。
3万円台という価格帯を踏まえると、これらは妥協すべき要素ということだろう。
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