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最大120Gbpsの非対称通信も可能な「次世代Thunderbolt」 Intelが概要を発表“全部入り”のUSB4 Version 2.0

» 2022年10月20日 01時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Intelは10月19日(米国太平洋夏時間)、Thunderbolt 4の後継となる接続インタフェース規格「次世代Thunderbolt」の概要を発表した。現時点ではプロトタイプ実装となっており、具体的な仕様や搭載製品については後日改めて発表される予定だ。

【更新:13時5分】一部表記を改めました

次世代Thunderbolt Intelが「次世代Thunderbolt」の概要を発表した。いわく「クリエイターやゲーマーにとってのベストソリューション」とのことだ

次世代Thunderboltの概要

 次世代Thunderboltは、10月18日(同)にUSB Implementers Forum(USB-IF)が仕様書を公開した「USB4 Version 2.0」に準拠している。USB4(USB4 Version 1.0)に対するThunderbolt 4と同様に、次世代Thunderboltはオプション仕様を含めてUSB4 Version 2.0に準拠していることが特徴だ。Intelによる認証プログラムも提供することで、より高品質を担保できることもポイントだ。

特徴 次世代Thunderboltの特徴。オプション仕様を含めてUSB4 Version 2.0に準拠している

 USB4 Version 1.0/2.0では、データの最高伝送速度(理論値、以下同)について以下のように定めている。

  • 対応必須:20Gbps
  • オプション対応:40Gbps(Thunderbolt 3相当)、80Gbps、120Gbps(非対称通信)

 USB 80Gbps(USB4 Version 2.0)では、最大80Gbpsの“対称通信”に対応している。これはUSB4 Version 1.0やThunderbolt 3/4の最大40Gbpsの2倍に相当する。これだけでも十分に高速だが、USB 80Gbpsではオプションで片方向を最大120Gbps、他方を最大40Gbpsで行う“非対称通信”も用意されている。この非対称通信は、主にディスプレイの接続の高度化を想定して用意されたという。

 次世代Thunderboltでは、この非対称通信への対応が必須とされている。これにより、クリエイターやゲーマーが超高解像度ディスプレイや複数ディスプレイをケーブル1本でつなぎやすくなる。

対応 次世代Thunderboltでは、USB4 Version 2.0でオプションとされている通信仕様を全て実装している
非対称通信 ディスプレイ接続の体験を向上するために、送信側を最大120Gbps、受信側を40Gbpsとする非対称通信にも対応する
クリエイター クリエイターにとっては「より高い解像度でより色数の多い映像」を伝送する上で非対称通信が役立つと想定される
ゲーマー ゲーマーにとっては「より高いリフレッシュレートのディスプレイを複数台接続する」シーンなどで非対称通信が役立つと想定される

 その他、次世代ThunderboltではUSB4 Version 2.0に規定されている以下の要素をサポートする。

  • 通信プロトコルのアップデート(主にトンネリング回り)
    • トンネリングによる20Gbps超の通信を実現(理論上はUSB 3.2 Gen 2x2(USB 20Gbps)にも対応可能)
    • DisplayPort 2.1やPCI Express 4.0に準拠
  • 過去の全バージョンのUSB規格との後方互換性を確保

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