ここからは、AYANEO AIRの実力をベンチマークテストアプリを通してチェックしていこう。
どういう順番でテストを行おうか迷ったのだが、ポータブルとはいえ“ゲーミングPC”であることからゲームを意識したベンチマークテストから試していこうと思う。
まずは3Dグラフィックスの性能をチェックする「3DMark」からだ。先述の通り、AYANEO AIRではTDPの上限値を4段階から設定できる。TDPをフルパワーを発揮できる15Wと、「Game Mode」とされる8Wに設定した場合の総合スコア以下の通りだ。
当たり前かもしれないが、TDPが高いほどスコアはよい。ただし、よくよく見てみると、総合スコアの伸びはグラフィックス“以外”のスコアの伸びで支えられている傾向にある。ストレートにいえば、GPUのパワー不足が見え隠れしているということだ。
AYANEO AIRは、AAAタイトルを720p(HD/1280×720ピクセル)で、その他のタイトルを1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)で楽しむことを想定して開発されたという。ただし、これらは軽量設定を前提とした想定である。詳しくは後述するが、実際のゲームを「軽量設定」にすると、本体のサイズや重量からは想像できないほどに快適なプレイを期待できる。「とりあえず外でもPCゲームを楽しみたい!」というニーズにはしっかり応えられそうである。
続けて、実際のゲームをベースとする「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチ)」を実行してみよう。結果は以下の通りだ。
解像度をHDに落とすと、TDPが8Wの状態でも標準品質(ノートPC)で「普通」評価を得られる。15Wにすれば、最高品質でも「普通」評価になり、標準品質(ノートPC)なら「やや快適」評価となる。HD解像度なら、TDPを8Wにしても意外としっかりプレイできそうである。
一方、解像度を標準のフルHDに引き上げると、15WのTDPをもってしても動作は厳しめである。しかし、標準品質(ノートPC)なら「普通」評価を得られる。
なお、より負荷の高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も試してみたのだが、どのような設定でも「動作不能」という結果になったので結果は割愛する。
最近では大作ゲームタイトルのことを「AAA(トリプルエー)タイトル」と呼ぶことが多い。大作だけに、AAAタイトルは特にグラフィックス面がよく作り込まれており、要求されるハードウェアのスペックが高くなる傾向にある。
AYANEO AIRでAAAタイトルは楽しめるのか――そこで、今回は「Apex Legends」と「Cyberpunk 2077」を実際にプレイしてみて、フレームレート(1秒当たりの描画コマ数)を計測することにした。
両ゲーム共にデフォルト設定と最低設定(調整できる画質設定を全て最低レベルにしたもの)におけるフレームレートを「Fraps」で計測した。計測シーンは以下の通りだ。なお、比較的負荷が重いことを鑑みて、TDPは15Wに固定している。
各ゲームにおける平均フレームレート(3分間計測時)は以下の通りだった。
Apex Legendsは、画質設定を控え目にすればスムーズに遊べる。ただし、画質設定を抑えると、太陽の表現や銃の書き込みが簡略化される上、岩の表現も省略されるので注意したい。
一方で、高度な3Dグラフィックスを多用し、最低でもフルHD解像度を要求するCyberpunk 2077は、最低設定でも厳しい結果となった。ただし、これで全く遊べないかといえばそんなこともなく、「何か急に遊びたくなったぞ!」という時の避難的なプレイはできる。HD解像度モードがあれば、もうちょっとよい結果を望めたのかもしれないが……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.