中国の新興ゲーミングPCメーカー「AYANEO(アヤネオ)」が、新しいポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR」を発売した。コンパクトなボディーにAMD製のAPU(GPU統合型CPU)「Ryzen 5 5560U」(2.3GHz〜4GHz、6コア12スレッド)または「Ryzen 7 5825U」(2GHz〜4.5GHz、8コア16スレッド)を搭載し、設定次第では「AAAタイトル」もプレイ可能だという。日本国内ではハイビーム、リンクスインターナショナルとCFD販売の3社が正規販売代理店となっており、ハイビームにおける税込み販売価格は13万7700円からとなっている。
今回、ハイビームからRyzen 5 5560U、16GBメモリ、512GB SSDを搭載する「スタンダードバージョン」(税込み販売価格13万7700円)を借りることができたので、その実力を検証していきたい。果たして、ゲームを“快適に”楽しむことはできるのだろうか……?
まず、本体のスペックを確認していこう。
先述の通り、APUはRyzen 5 5560Uを搭載している。CPUコアは7nmプロセスの「Zen 3アーキテクチャ」で、GPUコアは7nmプロセス化された「GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャ」のものを搭載している(参考記事)。
AYANEO AIRに搭載されているRyzen 5 5560Uは、一般的にはミドルレンジのノートPCに搭載されるAPUだが、AYANEO AIRのようなコンパクトかつ軽量なボディーに搭載することは想定されていない。このことが使い勝手にどのくらい影響するのか、注目したい所だ。
Ryzen 5 5560UのGPUは6コア構成で、動作クロックは最大1600MHzとなる。グラフィックスメモリはメインメモリと共有で、必要に応じて最大3GBが確保される。
先述の通り、ストレージは512GBのSSDだ。このSSDはPCI Express 3.0接続であることは確かなのだが、「CrystalDiskInfo」ではメーカーやモデル名を確かめることができなかった。気になるといえば気になる点である。
AYANEOのポータブルゲーミングPCはコントローラー一体型であることが特徴だが、AYANEO AIRも個の点においてご多分にもれない。コントローラーの部分はグリップしやすいように盛り上げ整形されている。
そのため、ボディーサイズは約224(幅)×89.5(奥行き)×17〜26(厚さ)mmと、厚みに幅がある。一番薄い所はディスプレイのある部分だ。それでいて、重量は約398gと、ディスプレイやコントローラーを一体化したPCと考えるとかなり軽量である。
ポータブルゲーミングPCは「ポータブル」とは言うものの、それなりの重量があるものが少なくない、それと比べれば、AYANEO AIRは手で握ってプレイするのも苦にならないのが助かる所である。
ディスプレイはタッチ操作対応の約5.5型のAMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)で、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)となる。パネルの特性として液晶パネル比で1000分の1の応答速度(AYANEO公称値)を実現した他、高コントラスト比(10万:1)、高い色再現性(sRGB比で100%、Adobe RGB比で96%)を実現している。視野角も上下/左右共に175度と広めだ。
ただし、ディスプレイのサイズが従来(約7型)と比べると小さいことは否めず、Windowsのデスクトップを100%(等倍)表示にすると字が細かすぎて見づらいことも事実だ。
そのせいか、出荷時は画面の表示比率が175%(1.75倍)に設定されている。しかし、175%設定だと字やアイコンがやや大きく表示されるので、筆者としては150%(1.5倍)設定がちょうど良いと考える。
本体と一体化されたコントローラーだが、左側にはアナログジョイスティックと十字キー、右側にはアナログジョイスティックとA/B/X/Yボタン、上部にLT/RTトリガー、LB/RBボタンとLC/RCボタンが用意されている。LC/RCボタンには「Escキー」「スクリーンショット」など、任意の機能を割り当てることも可能だ。
ポート類は本体上部にUSB Type-C端子を、下部にUSB Type-C端子、microSDスロットとイヤフォン/マイクコンボ端子を備えている。USB Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力(最大65W)と、DisplayPort 1.4 Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
本体上部の電源ボタンは指紋センサーを搭載しており、Windows Helloの生体認証を利用可能だ。
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