「ワコムストア」で攻撃による情報漏えいが発生 1938件のクレカ情報と14万7545件の個人情報が外部に流出

» 2022年11月21日 17時20分 公開
[井上翔ITmedia]

 ワコムは11月21日、直営の「ワコムストア」が第三者による不正アクセスを受け、個人情報が漏えいしたことを発表した。4月19日正午まで運用していた旧システムへの不正アクセスが原因で、漏えい対象となったユーザーには11月21日から順次、電子メールと書面で個別に連絡するという。

漏えい ワコムからの告知

事象の概要

 今回の情報漏えいは、8月19日付で一部のクレジットカードから「クレジットカード情報の漏洩懸念について連絡を受け」たことをきっかけに判明したという。この連絡を受けてワコムでは、8月22日付でワコムストアでの商品の販売とクレジットカードによる決済を一時的に取りやめた。その後、同社は8月30日付で第三者機関による本件に関する調査を依頼し、9月30日付で調査が完了したという。

 調査により、ワコムストアの旧システムの一部の脆弱(ぜいじゃく)性を突いて、第三者がペイメントアプリ(決済処理をするシステム)を改ざんしたことが判明した。同ストアのペイメントアプリは本来、カード情報を保存しないという。しかし、この改ざんによりカード情報などが外部に送信されるようになっていたとのことだ。

 具体的には、システムの改ざんにより、以下の情報が外部に送信されていた可能性がある。

クレジットカード情報の漏えい(最大1938件)

 2022年2月19日から同年4月19日の午前中(=旧システムの運用終了)までの間に、ワコムストアにおいて商品の購入でクレジットカードを利用した 最大1938件について、以下の情報が外部に流出した可能性がある。

  • クレジットカードの名義人
  • クレジットカードの番号
  • クレジットカードの有効期限
  • クレジットカードのセキュリティコード(※1)
  • メールアドレス

(※1)クレジットカードが手元にあることを確認するための3桁(一部ブランドは4桁)の数字

その他の情報漏えい(最大14万7545件)

 2021年2月22日から2022年4月19日の午前中までの間にワコムストアを利用したユーザーについても、以下の情報が漏えいした可能性がある。

  • 注文時に入力が必須である事項(最大14万7545件)
    • 氏名
    • 郵便番号
    • 住所
    • 電話番号
    • メールアドレス
    • 性別
  • ストア会員に登録する場合に必須の事項(最大10万565件)
    • 会員ID
    • 所持ポイント
    • メールマガジンの希望有無/形式
  • ストア会員に登録する場合に任意登録の事項
    • 会社名(5534件)
    • 学校名(2992件)
    • FAX番号(2393件)
    • 生年月日(4万9510件)
    • 職業分類(4万9552件)

現在は新システムで運用中

 ワコムストアは4月19日の午後から新システムで運用されている。そのため、同日正午以降は情報漏えいが発生していないという。クレジットカードを使った決済は、現時点では「Amazon Pay」を介して提供されている(参考リンク)。

 今回の情報漏えいの影響を受けたユーザーには、先述の通りメールと書面で個別に連絡が行われる。念のために、心当たりのあるユーザーはクレジットカードの明細などを確認するようにしたい。

カード 現在はクレジットカード決済を「Amazon Pay」経由で受け付けている

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