今夏に家族が新型コロナウイルスに感染し、しばらく自室に引きこもらざるを得ない生活を強いられたのだが、その時に活躍したのが、朝日電器がELPAブランドで発売しているワイヤレスチャイムだ。
これは、言うなれば家庭向けのナースコールとでも呼ぶべき製品で、スピーカー内蔵の本体をコンセントに差し込み、その対となるスイッチを各部屋に設置する。スイッチをグッと握るとスピーカーから呼び出し音が流れるので、家族の誰かが呼んでいることが分かるという仕組みだ。
スイッチは複数を追加できるため、家族一人一人がこれを持っておき、必要な時に別の家族を呼び出したり、あるいは(自分が新型コロナウイルスで隔離されている側であれば)手洗いなどの用事で部屋から外に出ることを他の家族に予告したりと、さまざまな活用が可能になる。
何より握るだけで操作が完了するので、LINEなどSMSを使ったやりとりと違って、スマホの入力すらままならないほど体調が悪くても問題ないし、ITのリテラシーがない家族でも使える。防水機能がついたスイッチも用意されており、浴室や洗面所に設置しておけば、冬場のヒートショックへの備えにもなるだろう。
面白いのは、ボタンを握り込んだ時に自己発電をする仕組みを採用しており、原理的にバッテリー切れがないことだ。長期間放置していても電池切れの心配がない点で信頼性は高く、木造家屋の2階から1階を呼び出せるなど、通信距離も十分だ。筆者のような用途はもちろん、事務所に設置して来訪者がスタッフを呼び出すチャイムとして使うなど、さまざまな用途に活用できそうだ。
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