LGエレクトロニクス・ジャパンは12月22日、webOS搭載ディスプレイ「32SQ730S-W」(スタンドタイプ)と「32SQ780S-W」(アームタイプ)をクラウドファンディング形式の応援購入サービス「Makuake」において発売した。価格は32SQ730S-Wが6万7000円(税込み)、32SQ780S-Wが7万6500円(いずれも市販時の想定価格から約10%オフ)だが、早期購入者にはさらなる割引もある。
昨今、日本では「チューナーレスTV」が話題になることが多い。その名の通り、TVチューナーをあえて搭載せず、スマートTV向けOS(Android TV/Google TVなど)を通して「YouTube」「Netflix」「Amazon Prime Video」「ABEMA」といったインターネットの動画視聴サイトを単体で楽しめるようにしたものである。
そういう文脈では、今回登場した2製品も同種の製品ともいえる。同社のスマートTVと同じ「webOS 22」を搭載することでアプリを介して動画視聴サイトに直接アクセスできる上、Webブラウザを使ってインターネットまで楽しめてしまう。オプションの「マジックリモコン」を購入するか、「LG ThinQアプリ」をインストールしたスマートフォンを用意すれば、それこそ「TVライク」に使える。
加えて、2製品には同社製TVの映像処理エンジン「α5 Gen5」も搭載している。HDR10に準拠したHDR映像に対してフレーム単位で動的にトーンマッピングを行ったり、4K(3840×2160ピクセル)未満の映像に対して高品質なアップスケール処理を施したり、フレーム補間を行ったりと、まさしく「今どきのスマートTV」としての機能もしっかりと備えている。
こうして見ると、この2製品は少なくとも日本ではチューナーレスTVとして売った方が“分かりやすい”ように思える。しかし、LGエレクトロニクス・ジャパンの宋ボラム氏によると、この製品はあくまでも「モニター(ディスプレイ)」であるという。
端的にいうと、「チューナーレスTV」と呼ばれている製品はスマートTVからチューナーを省いた“レス(省略)”製品であることに対して、2製品はディスプレイにスマート機能(スタンドアロンで動作する機能)を“プラス”したものという位置付けなのだ。
そのことはディスプレイサイズにも表れている。今回の2製品は4K(3840×2160ピクセル)のVA液晶を採用しているが、サイズは31.5型である。これは机のスペースを過度に圧迫することなく、かつ高画質と高精細の視聴体験をできる「バランスの良さ」を重視した結果だという。
TVの文脈に立つならば、4Kなら少なくとも40〜43型の画面が欲しくなるが、「PC用ディスプレイ」と考えると設置場所によっては大きすぎる。多くの人にとって、TVと考えると少し小さいが、ディスプレイと考えればちょうど良いサイズを狙った製品であるともいえる。
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