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2023年のHoloLensを考えるWindowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2022年12月26日 07時00分 公開
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デバイスよりもビジネスを支えるMicrosoft周辺のエコシステムが大事

 そして話は冒頭のBlog記事に戻るが、ここでは多数の垂直市場でのHoloLens 2やMicrosoft MRの活用事例が紹介されており、特に日本企業の事例が多く掲載されているのは国内関係者の頑張りとアピールによるものだと考えられる。

 ただ、ここで重要なのは、このようにHoloLens 2とMicrosoftのアプリケーション(Dynamics 365など)が業界ソリューションに密接に結びついており、それらを支援するためにHoloLens 2の月例アップデートを過去34回に渡って行い、継続的に支援を続けてきた点にある。

 つまりデバイスが主体というよりも、継続的なビジネスを支えるMicrosoft周辺のエコシステムの方が鍵だという同社の見解だ。

 米MicrosoftでMixed Reality担当バイスプレジデントのスコット・エバンス氏は、Blog記事中で下記のように触れている。

One thing Evans has said Microsoft hears from customers is that, unlike consumers who expect a constant crop of new gadgets, businesses don’t want to have to replace their devices every two years. That causes too much churn. “No one wants to be obsoleted for 10% better capabilities. They don’t need a successor yet, but they want to know it will be there at the right time,” he said.

Evans said Microsoft is pushing forward on all core hardware technologies: display, tracking, sensors, battery life. “We’re just looking for the right design point to make it a meaningful update. They want a successor device that’s going to enable an even higher return on investment,” Evans said.

 要約すれば、ビジネスの現場はコンシューマーのように2年単位で10%程度の性能向上のためにデバイスを置き換えるようなことをよしとせず、“適切な時期”にそれが行われることを望んでいるという。

 Microsoft自身はディスプレイ、トラッキング、センサー、バッテリー駆動時間など全てのコアのハードウェア技術の研究開発を進めており、有意義なアップデートとなるための“最適な”デザインポイントを見極めているというわけだ。

 ある意味で「ブレイクスルーを起こせるほどの技術革新が生み出せていない」ことの言い訳のようにも聞こえるが、むしろ同社自身はアプリケーションやソリューションを重視して大事に育てている立場であり、ハードウェア自体にはそれほど執着せず、デバイスはあくまでそれを実現するための“器”のように捉えている“フシ”がある。

 Microsoftがどちらかといえばソフトウェア方面に傾注しているというのは、Directions on Microsoftのメアリー・ジョー・フォリー氏も指摘している。

 例えばMicrosoft 365のアプリケーション、特にTeamsなどの共同作業ツールをMetaのデバイスに持ち込むなど、MRの世界への入り口は必ずしもHoloLensにこだわっていない。同氏はこのような形でHoloLensや業界向けMRの世界に対し、2023年内にも多数の業務アプリケーションを持ち込む計画だと説明しており、その一端は2023年1月初頭に米ネバダ州ラスベガスで開催されるCES 2023で明らかになると指摘する。

 CESは主に自動車業界向けのソリューションなどが発表されるが、同社は1月中旬に米ニューヨークで開催される「NRF Retail's Big Show」においても例年通りにブースを構える予定で、おそらくはここでリテールやロジスティクス向けのMRソリューションをお披露目すると予想される。

 このように、デバイス方面での動きはまだしばらく見られないHoloLensだが、周辺サービスの拡充は2023年において確実に進むことになりそうだ。

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