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2023年のHoloLensを考えるWindowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2022年12月26日 07時00分 公開

 MicrosoftのMRヘッドセット「HoloLens 2」が発表されたのは2019年2月のこと。スペインのバルセロナで開催されていたMWC 2019のタイミングだ。長いコロナ禍で時間がワープしたような感覚があるが、それから間もなく4年が過ぎようとしており、初代のHoloLensが発表されたのが2015年1月のWindows 10イベントの場であることを考えれば、時期的にみれば“第3世代”のデバイスがそろそろ登場してもおかしくないはずだ。

 こういった背景を意図したのかは分からないが、米Microsoftは2022年12月15日(現地時間)、「HoloLens 2 brings new immersive collaboration tools to industrial metaverse customers」と題したBlog記事を公開した。HoloLens 2が現在どのように現場用途で活用されており、目指すべき方向性がこの記事では触れられている。では、Microsoftの考える「Mixed Reality(MR)」ならびに、HoloLensの“次”とは何なのだろうか。

2019年2月に開催されたMWCで、HoloLens 2を発表するアレックス・キップマン(Alex Kipman)氏

2022年のHoloLens

 MicrosoftのMRとHoloLensについて、2022年は割ときな臭い話題が続いた年だった。

 例えば、同年の初頭には「HoloLens 3の計画は2021年半ばにキャンセルされた」という報道があり、おそらく従来であれば2023年のタイムラインに乗ってくるべき新型デバイスが、少なくとも当初想定された時期には登場しない可能性がささやかれるようになった。

 もともとコロナ禍に突入した時点で、Microsoftのデバイス計画はSurfaceを含めてかなり再編が行われた。特にHoloLensについては、製品のブラッシュアップのために「(同類の)競合製品が存在しない以上、無理してデバイスを出す必要はない」という判断が働き、少なくとも4年間隔でのリリースサイクルでは製品が登場しないという話もあり、本連載でも紹介している。

 これだけならまだ「リリース時期が後ろに延びたんだな」と想像できる程度だったが、今度は6月になるとHoloLens開発計画のリーダーであるアレックス・キップマン氏が退社する意向であることが報じられた。

 Microsoft内で計画に対する意見が衝突したといった理由よりは、キップマン氏本人の行動に起因するものが大きいようだったが、結果として前述の次世代デバイス延期の話を飛び越えて「HoloLensの将来自体が暗礁に乗り上げたのでは?」という意見さえ出るようになった。

 HoloLensは汎用(はんよう)デバイスとしては非常に位置付けの難しい製品であり、ある意味で競合となるデバイスが存在しないことから、特定用途向けのアプリケーションを動かすのに適しており、実際にサービス業や製造業などさまざまなバーチカル市場において一定のシェアと資産を抱えている。

 一方で、1台あたり3500ドルを超えるという価格と取り扱いの難しさから「コンシューマー用途」には向いておらず、市場の広がりという面での訴求力が弱い。

日本での発売から3年が経過した「HoloLens 2」

 テクノロジー的にはHMDヘッドセットということでHoloLensとは異なるものの、同様にアプリケーションプロセッサ(AP)をデバイス内に搭載してスタンドアロン動作が可能なMetaのQuestシリーズやByteDanceの「PICO 4」など、HoloLensよりも手が届きやすい価格帯のコンシューマー向け製品が現状では多数登場しており、Microsoftがかつて予告していた「コンシューマー向けHoloLens」が進出しようとしていた市場を埋めつつあるのが現状だ。

 これらのデバイスに半導体チップを提供しているのは、MicrosoftのOEMパートナーであるQualcommであり、直近ではARグラス向けのより簡易なバージョンのSnapdragon製品もリリースするなど、もし登場するのであれば次世代HoloLensに向けた足回りは固められつつある。

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