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超低消費電力CPUでも結構パワフル! デルのデタッチャブル式2in1「XPS 13 2-in-1」は誰にお勧め?(3/3 ページ)

» 2022年12月30日 12時30分 公開
[でこいITmedia]
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普段使いのパフォーマンスをチェック!

 ここからは、ベンチマークテストを通してXPS 13 2-in-1のパフォーマンスをチェックしていこう。今回は、全てのテストを電源設定を標準の「バランス」で行っている。

CINEBENCH R23

 まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行してみた。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストの結果は以下の通りである。

  • マルチコア:4713ポイント
  • シングルコア:1342ポイント(MPレシオ:3.51倍)

 XPS 13 2-in-1が搭載するCPUは、第12世代CoreプロセッサのUシリーズの中でも特に省電力である「BGA Type4 HDIパッケージ」(標準消費電力は9W)だ。従来の超低消費電力CPUと比べて良好なスコアを記録したのは、Eコアの効果とみて良いだろう。

 このテストでは、参考として電源設定を「最適なパフォーマンス」とした場合のスコアも計測した。シングルコアのスコアは大して変わらなかったのだが、マルチコアのスコアが「4178ポイント」とバランス設定より落ち込んでしまった

 PCのモニタリングを行うアプリを使い、最適なパフォーマンスで計測をした際のCPUの挙動をチェックしてみた所、サーマルスロットリングが発生していることが判明した。恐らく、最適なパフォーマンスではCPUの負荷が急激に高まり、すぐに発熱を抑える挙動(=サーマルスロットリング)になったのだろう。

 マルチコアを長時間フルパワーで回すようなアプリを使う場合は、あえて「バランス」設定とした方が実用上は良いかもしれない。

CINEBENCH R23 CINEBENCH R23の結果

PCMark 10

 続けて、PCの総合ベンチマークアプリ「PCMark 10」の結果を見てみよう。

  • 総合:4791ポイント
  • Essentials(アプリ計算、Web会議、Webブラウズ):9832ポイント
  • Productivity(表計算、ワープロ):7296ポイント
  • Digital Content Creation(写真/動画の編集やレンダリング):4649ポイント

 かつての超低消費電力CPUといえば、PCMark 10のスコアが低くなりがちだった。しかし、これだけのスコアが出るのであれば、普段使いにおいて全く問題がないどころか、むしろ非常に快適といえるだろう。

PCMark 10 PCMark 10の結果

3DMark

 続けて「3DMark」を使って3Dグラフィックの性能を確かめてみよう。今回はDirectX 12ベースで高負荷の「Time Spy」、同APIベースで低負荷の「Night Raid」、DirectX 11ベースで高負荷の「Fire Strike」の3つを実行した。

  • Time Spy:1123ポイント
  • Night Raid:11154ポイント
  • Fire Strike:2730ポイント

 さすがに独立GPUを搭載するゲーミングノートPCにはかなわないが、数年前のノートPCと比べれば十分なパフォーマンスを備えている。

結果 3DMark(Night Raid)の結果

FF14/FF15ベンチマーク

 実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も合わせてチェックしてみよう。いずれも解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、フルスクリーン表示で実行している。

  • FF14ベンチマーク
    • 標準品質(ノートPC):4059(普通)
    • 高品質(ノートPC):3040(設定変更を推奨)
  • FF15ベンチマーク
    • 標準品質:1443(動作困難)

 Pコアが2基しかないこともあってか、結果はかなり厳しいものとなった。XPS 13 2-in-1でゲームを楽しむなら、より軽量なゲームを選択するか、グラフィック設定をかなり下げるか、Thunderbolt 3対応の外付けGPUボックスをつないで楽しむことをお勧めしたい。

FF14ベンチマーク FF14ベンチマークの結果
FF15ベンチマーク FF15ベンチマークの結果

CrystalDiskMark

 今回レビューしたXPS 13 2-in-1には、Western Digital製のPCI Express 4.0対応SSD「SN740」の512GBモデルが搭載されている。そのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」で確かめてみた。

  • シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1):毎秒5054.22MB
  • シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1):毎秒3987.60MB
  • シーケンシャルリード(SEQ1M Q1T1):毎秒3611.51MB
  • シーケンシャルライト(SEQ1M Q1T1):毎秒2962.44MB
  • ランダムリード(RND4K Q32T1):毎秒398.30MB
  • ランダムライト(RND4K Q32T1):毎秒238.45MB
  • ランダムリード(RND4K Q1T1):毎秒74.12MB
  • ランダムライト(RND4K Q1T1):毎秒129.864MB

 PCI Express 4.0接続であることもあって、読み書きの速度は十分すぎるほどに高速である。大抵の作業は快適にこなせるだろう。のSSDを搭載しているため、読み書きの速度は十分に高速だ。これだけのスピードが出ればたいていの作業は快適にこなせる。

CrystalDiskInfo 8.17.5 「CrystalDiskInfo 8.17.5」で確認したストレージ情報
CrystalDiskMark 8.0.4 CrystalDiskMark 8.0.4の結果

バッテリー持続時間をチェック

 最後に、「PCMark 10」のバッテリーテストを使って実利用環境に近い状況での連続稼働時間を計測した。シナリオは「Modern Office」を利用し、液晶輝度を最大にしてテストを行った。

 バッテリーが100%から4%になるまでの時間は7時間1分だった。実際は画面輝度を100%にして運用することは少ないと思うので、それを考慮すれば外部電源に繋がず1日持ち歩いても十分仕事には使えるだろう。

PCMark 10のバッテリーテスト PCMark 10のバッテリーテスト(Modern Office)の計測結果

刺さる人にはとても刺さる2-in-1 PC

 XPS 13 2-in-1は、第12世代Coreプロセッサの超低消費電力モデルを搭載している。ゆえに処理能力的な意味で「え、超低消費電力CPUなのか……」と不安に思う人もいるかもしれない。

 しかし、Officeソフトでの事務作業はもちろん、ちょっとしたイラスト制作や画像編集などの軽めなクリエイティブ作業も普通にこなせる性能はしっかりと確保している。デタッチャブルタイプのボディーを採用しているので、本体のみにすれば通常のノートPCと比べて軽く、ソファに座りながら快適にWebブラウジングや動画視聴を楽しめるだろう。

 一方、構造的な制約もあり、Folioキーボードは一般的なノートPCと比べると打ち心地は劣る。長時間タイピングをするようなユーザーには少々不向きであることも事実である。

 前モデルから着実に性能が向上しただけでなく、デザインや構造も大きく変わった新しいXPS 13 2-in-1は、「タブレットのように使いたいけれど、Windowsがマトモに動くものがほしい!(パフォーマンスもね)」と考える“わがままな”ユーザーには強く刺さるモデルとなっている。

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