ここからは、ベンチマークテストを通してXPS 13 2-in-1のパフォーマンスをチェックしていこう。今回は、全てのテストを電源設定を標準の「バランス」で行っている。
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行してみた。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストの結果は以下の通りである。
XPS 13 2-in-1が搭載するCPUは、第12世代CoreプロセッサのUシリーズの中でも特に省電力である「BGA Type4 HDIパッケージ」(標準消費電力は9W)だ。従来の超低消費電力CPUと比べて良好なスコアを記録したのは、Eコアの効果とみて良いだろう。
このテストでは、参考として電源設定を「最適なパフォーマンス」とした場合のスコアも計測した。シングルコアのスコアは大して変わらなかったのだが、マルチコアのスコアが「4178ポイント」とバランス設定より落ち込んでしまった。
PCのモニタリングを行うアプリを使い、最適なパフォーマンスで計測をした際のCPUの挙動をチェックしてみた所、サーマルスロットリングが発生していることが判明した。恐らく、最適なパフォーマンスではCPUの負荷が急激に高まり、すぐに発熱を抑える挙動(=サーマルスロットリング)になったのだろう。
マルチコアを長時間フルパワーで回すようなアプリを使う場合は、あえて「バランス」設定とした方が実用上は良いかもしれない。
続けて、PCの総合ベンチマークアプリ「PCMark 10」の結果を見てみよう。
かつての超低消費電力CPUといえば、PCMark 10のスコアが低くなりがちだった。しかし、これだけのスコアが出るのであれば、普段使いにおいて全く問題がないどころか、むしろ非常に快適といえるだろう。
続けて「3DMark」を使って3Dグラフィックの性能を確かめてみよう。今回はDirectX 12ベースで高負荷の「Time Spy」、同APIベースで低負荷の「Night Raid」、DirectX 11ベースで高負荷の「Fire Strike」の3つを実行した。
さすがに独立GPUを搭載するゲーミングノートPCにはかなわないが、数年前のノートPCと比べれば十分なパフォーマンスを備えている。
実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も合わせてチェックしてみよう。いずれも解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、フルスクリーン表示で実行している。
Pコアが2基しかないこともあってか、結果はかなり厳しいものとなった。XPS 13 2-in-1でゲームを楽しむなら、より軽量なゲームを選択するか、グラフィック設定をかなり下げるか、Thunderbolt 3対応の外付けGPUボックスをつないで楽しむことをお勧めしたい。
今回レビューしたXPS 13 2-in-1には、Western Digital製のPCI Express 4.0対応SSD「SN740」の512GBモデルが搭載されている。そのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」で確かめてみた。
PCI Express 4.0接続であることもあって、読み書きの速度は十分すぎるほどに高速である。大抵の作業は快適にこなせるだろう。のSSDを搭載しているため、読み書きの速度は十分に高速だ。これだけのスピードが出ればたいていの作業は快適にこなせる。
最後に、「PCMark 10」のバッテリーテストを使って実利用環境に近い状況での連続稼働時間を計測した。シナリオは「Modern Office」を利用し、液晶輝度を最大にしてテストを行った。
バッテリーが100%から4%になるまでの時間は7時間1分だった。実際は画面輝度を100%にして運用することは少ないと思うので、それを考慮すれば外部電源に繋がず1日持ち歩いても十分仕事には使えるだろう。
XPS 13 2-in-1は、第12世代Coreプロセッサの超低消費電力モデルを搭載している。ゆえに処理能力的な意味で「え、超低消費電力CPUなのか……」と不安に思う人もいるかもしれない。
しかし、Officeソフトでの事務作業はもちろん、ちょっとしたイラスト制作や画像編集などの軽めなクリエイティブ作業も普通にこなせる性能はしっかりと確保している。デタッチャブルタイプのボディーを採用しているので、本体のみにすれば通常のノートPCと比べて軽く、ソファに座りながら快適にWebブラウジングや動画視聴を楽しめるだろう。
一方、構造的な制約もあり、Folioキーボードは一般的なノートPCと比べると打ち心地は劣る。長時間タイピングをするようなユーザーには少々不向きであることも事実である。
前モデルから着実に性能が向上しただけでなく、デザインや構造も大きく変わった新しいXPS 13 2-in-1は、「タブレットのように使いたいけれど、Windowsがマトモに動くものがほしい!(パフォーマンスもね)」と考える“わがままな”ユーザーには強く刺さるモデルとなっている。
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