アイリスオーヤマの「DP-BF162S-B」は、15.6型のモバイルディスプレイだ。同社はこれまでにもモバイルディスプレイを複数手掛けているが、本製品は過去のモデルにみられたスタンド兼用カバーが付属したタイプではなく、本体とスタンドが一体化した仕様を採用していることが特徴だ。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは15.6型で、パネルはIPS方式のバリエーションであるAAS、ノングレア加工が施されている。輝度は250ニト、コントラスト比は700:1、画面解像度は1920×1080ピクセルで、応答速度は10ms(GtoG時)となっている。
また製品ページには記載がないが、取扱説明書によると視野角は上下/左右ともに178度、リフレッシュレートは60Hzとされている。これらの値は、一般的なモバイルディスプレイと比べてもごく標準的だ。タッチ操作やバッテリー駆動などの特殊な機能は備えていない。
ボディーは、スタンドと一体化した構造だ。スタンドはボディーの外周を覆う形状で、無段階で最大175度まで可動する。折りたたむとボディーと完全に一体化して、段差がなくなるのが特徴だ。
もっとも、このスタンドだが本体側面に配置されたポートやボタンを外側から覆うように取り付けられているため、ケーブルを挿したままではスタンドを完全にたたむことができない。バッグに片付ける時はケーブルを抜くはずなので問題はないものの、社内で一時的にケーブルを挿したまま持ち歩きたい場合には不便な仕様だ。
その一方で、ケーブルを抜いた状態では、スタンドをたたむことによってポートがふさがれるので、ほこりなどの侵入を防ぎやすいメリットはある。これらをトータルで便利と感じるか不便と感じるかは、使い方によって変わってくるだろう。この構造による別のデメリットについては後述する。
付属品はUSB Type-Cケーブルの他にHDMIケーブル、さらに給電に使うUSB Type-A→Type-C仕様のケーブルがセットになっている。加えて、本体の輸送に使うカバーやクリーニングクロスなど、付属品は一通りそろっている。
本製品はスタンドが一体化しており、必要なのはどちらかというとカバーではなくポーチのように感じるが、これは自身で調達することになる。
ちなみにこのカバー、他社製品でよくあるスタンドと一体になったカバーと外観はそっくりなのだが、マグネットなどの吸着機構はなく、本体をただ一周させるだけなので、手で押さえていないとブランと垂れ下がってしまう。外れないよう手で押さえたままバッグに入れても、バッグの中で外れてしまうかもしれず、どのような使い方を想定しているのかが悩ましい。
重量はホームページ上では1kg、取扱説明書や直販サイトではカバー付きで1030g、さらに実測では802gとバラバラだ。誤差は仕方ないにしても、本製品はカバーは必須ではないので、本体のみ重量の記載は必要だろう。このあたり、正確かつ分かりやすい情報提供を望みたいところだ。
続いて、実際にノートPCと接続してみよう。
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