センチュリーの「LCD-11600FHD4」は、11.6型のモバイルディスプレイだ。画面サイズは小ぶりながらフルHD(1920×1080ピクセル)に対応し、フルサイズのHDMIポートやDisplayPortも搭載しているなど、他のモバイルディスプレイにあまりない特徴を備えている。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
まずは、基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは11.6型と、現在市販されているモバイルディスプレイの中では最小サイズといっていい部類に入る。その一方で画面解像度はフルHD(1920×1080ドット)と、サイズの割には高解像度だ。
リフレッシュレートは60Hz、輝度は300ニト、応答速度は25msと、これらは現行のモバイルディスプレイの中ではやや控えめな値だが、出力1Wとはいえスピーカーを搭載するなど、機能はどちらかというと多い部類に入る。
従来モデルに当たる2020年発売の「LCD-11600FHD3」との大きな違いは、IPS液晶がAHVA方式のパネルに変更になったことだ。AHVA方式は広い視野角が特徴で、水平/垂直ともに178度を実現している。この他にもノングレアからグレア調へ、コントラスト比は1000:1から800:1へと変更されており、これもパネル変更の影響とみられる。
スタンドは本体背面のVESAマウント(75mm)にネジで固定されており、これを取り外して別売のディスプレイアームなどに取り付けることも可能だ。ちなみに付属のスタンドは角度を自由に調整できるが、狙ったところでピタッと固定できるほどの精度はなく、安定性はあまり高くはない。
接続方式は、昨今のモバイルディスプレイのトレンドであるUSB Type-Cには対応せず、HDMIもしくはDisplayPortの2種類のみとなる。DisplayPortを搭載しているだけでも珍しいのだが、それぞれのポートがフルサイズなのもユニークだ。これならば、本体にHDMIコネクターを備える動画視聴デバイス、具体的にはAmazonの「Fire TV Stick」などを直接差し込むことも可能だ。
重量は公称値で約700gと、スタンドも含んだ値とはいえ、11.6型という画面サイズからするとかなり重い部類に入る。ボディーも約33.5mmと相当な厚みがあり、折りたたんだスタンドの先端がボディーよりも外に突き出てしまうため、バッグに入れる際に引っかかりやすく、持ち歩きにはいくつか難がある。どちらかというと据え置き利用向けだろう。
付属品はHDMIケーブル、給電用USBケーブルに加えて、専用のACアダプターがセットになっている。DisplayPortケーブルは付属しないので要注意だ。なお給電用USBケーブルとACアダプターの接続先はminiBポートで、フォームファクターの古さを感じるが、電源供給以外に使用するわけではないので、気にしなければ特に問題はない。
それでは、ノートPCに接続してみよう。
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