では実際に使ってみよう。まずは給電用のUSBケーブルもしくはACアダプターをつないだ後、HDMIケーブル(もしくは別売のDisplayPortケーブル)を接続すると、本体に映像が表示される。USB Type-Cではないので、映像信号伝送用のケーブルに加えて必ず給電用のケーブルないしはACアダプターが必要になる点は注意したい。
フルHD対応ゆえ、画面は小型ながらもクオリティーは高めだ。ベゼルはつや消し、画面はグレア調という珍しいコンビネーションだが、このあたりは好みにもよるだろう。なお視野角の広さは本製品の(というよりもAHVA方式の)特徴のはずだが、見た限りではいまいちピンと来なかった。
ちなみに映像信号の入力元は、スライドスイッチで選択する。複数の入力ソースを持つ製品は、入力信号を検知した時点で自動的にそちらに切り替わるか、もしくはOSDメニュー上で選択する仕組みであることが多く、物理スイッチで切り替える仕組みは珍しい。
これらのポートとスライドスイッチは本体側面ではなく、一段下がった背面寄りに配置されているため、ノートPCの真横に並べて設置した場合も、ケーブルが干渉しにくい。地味ながら本製品のメリットの1つだ。
続いて、OSDメニューについて見ていこう。OSDメニューを操作するためのボタンは4つあり、いずれも背面右、前述のポートやスライドスイッチから見て真上にあたる位置に並んでいる。
最近のモバイルディスプレイは、コストダウンのためになるべくボタン数を少なく済ませようとしている製品が多く、その点本製品は無理なく操作できる……と言いたいところなのだが、実際に使ってみるとあまりその恩恵は感じない。むしろその逆だ。
というのも、本製品の4つのボタンは全て形状が同一で、指先での判別がつきにくいことから、目視なしで押そうとすると誤操作を多発する。せめて最上部のMENU/ENTERキーだけでも、ボタンサイズが一回り大きいか、あるいは質感が異なるかで指先で判別できれば分かりやすかったのにと思う。
ちなみに、本製品は背面スタンドを外して90度回転させた状態で取り付けることもできるが、脚の長さが足りず、画面が上向きになってしまう。真上に挿したケーブルが引っ張られて転倒する恐れもあるので、縦向きでの利用はあまりお勧めしない。どうしても縦向きに使いたければ、付属のスタンド以外で立てる方法を模索した方がよいだろう。
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