カメラファン待望のイベントが帰ってきた──写真や映像に関連した製品や技術が一堂に会する展示会「CP+」が、4年ぶりにオフライン開催された。期日は2月23日〜26日で、会場は神奈川横浜市にあるパシフィコ横浜だ。
オフライン/オンライン会場に40社を超える企業が出展するカメラの祭典で見つけた、PC USERの読者のみなさんにも興味をもってもらえそうなものを紹介していきたい。
到着してすぐ、「お、長蛇の列ができているな」と思い、その最後尾に並んだのはキヤノンブースに設けられたVR/MR体験コーナーだ。
キヤノンでは、VRからMRまでのxRコンテンツ制作サービスを提供しており、制作用のシステム構築、教育といったソリューションを提供している。現在、3DCADの現場やショールームなどで利用されているが、このように多くの人に体験してもらうことで、「利用例の提案」をしたいという。
表示されたコンテンツでは、3人のダンサーが前後へと移動しながら華麗に踊り、白いキューブが弾けたり、回転したり、顔の近くを通過したりする演出が施されており、仮想現実を楽しめるものとなっていた。ちなみに、デモ用の機材は「Meta Quest 2」だった。
VRコンテンツの体験後、続けてMRを体験する。体験者にあてがわれた機材は「MREAL」(エムリアル)だ。電源を入れると、真っ暗だった画面が明るくなり、周囲の様子をレンズを通して確認できるようになる。
コンテンツが始まると、前方にあるパネルから先ほどと同じ3人のダンサーが現れて、踊りながらパネルから出たり、パネルに入ったりする。床に置かれている白いキューブに座る、両手でそれを投げる動作をして、キューブを増やす/消す/小さくなったキューブを自在に空間に浮かべて操る、などの動作を体験した。
映像であるダンサーの周囲には、スタッフや来場者の姿、自分の足元なども見えるため、MREALを装着している間に動き回っても、何かにぶつかることはなさそうだ。
同じキヤノンブースでは、スマホアプリ経由でその場ですぐにプリントできる「iNSPiC」もデモ展示していた。カメラレンズ付きで、単体で撮影からプリントまで行える「ZV-223」と、スマホで撮った写真をプリントできる「PV-223」だ。
iNSPiCシリーズには、インクリボンやトナーなどが不要だ。なぜなら、専用ペーパーに結晶状のシアン/マゼンタ/イエローのインクが埋め込まれている「Zink」方式を採用しているからだ。これに最適な熱を加えることで、それぞれの結晶が溶けて、画像を得られるという仕組みになっている。富士フイルムの「チェキ」やポラロイドカメラと異なり、待たずに写真を確認できるのがいい。
人の顔を認識すると自動的に撮影する「PowerShot PICK」も展示されていた。カメラに顔を向ける形だと、なかなか自然な表情を残せないが、PowerShot PICKであれば、いつもの自然な姿を撮れるということでホームユースでの利用が増えているという。最近では、保育園からの引きもあるそうだ。
人気の秘密は、預かっている子どもの園内での様子を撮影するという業務を、PowerShot PICKに肩代わりしてもらえるからだ。忙しい保育士から「心の余裕ができた」「自然な表情を撮れる」と好評だという。
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