4年ぶりに開催されたカメラの大規模展示会「CP+2023」に行ってきた(2/3 ページ)

» 2023年02月25日 14時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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書き込み速度毎秒1900MBでも熱くなりにくいType Bメモリーカード

CP+2023 カメラ 横浜 記憶媒体メーカー「Nextorage」のブース

 Nextorageが展示していたのは、おなじみSDXCカードやCFexpress Type Bメモリーカードだ。CFexpress Type Bメモリーカードは、かつてデジタルカメラの多くに採用されたコンパクトフラッシュカード(CFカード)の後継ともいえるメモリーカードで、大容量化/高速化を期待できることもあり、一部のハイエンドデジタルカメラで搭載されている。

CP+2023 カメラ 横浜 「Nextorage」のブースでは、CFexpress Type Bメモリーカードを展示中だ。Nextorageでは、ハイエンドモデルの「NX-B1PRO」シリーズを販売している

 Nextorageの「NX-B1PRO」シリーズは、高速かつ大容量を実現したメモリーカードで、最大読み取り速度は毎秒1950MB、最大書き込み速度は毎秒1900MBとなる。シリーズ最大の容量を持つ「NX-B1PRO1330G」は、その名の通り1.33TBのデータ記録が可能だ。

 記録できる容量が大きいのはいいが、PCなどにデータを転送するのに時間がかかってしまい、げんなり……ということはよくあるが、こちらは前述したようにも毎秒2GB近い転送速度があるので、メモリーカードが満タンになるまで撮影したとしても、理論上は10数分でPCなどへの転送が終わるだろう。

 NX-B1PROシリーズのもう1つの特性は、高速での読み書きができるのに、適切な低消費電力モードを自動設定することで、消費電力を最大68%削減する。その結果、高画質の動画を撮影している最中でも発熱を抑え、記録を停止して熱暴走を抑止するサーマルスロットリングの発生を減らせる。

 担当者によれば「他社製品では13分〜15分程で、自動的に録画が中止されてしまうところ、NX-B1PROなら27分まで録画し続ける。録画していたはずなのに、できていないという失敗が少なくなる」とのことだった。

 ここまで聞くと「これをPCの外付けストレージに転用したい」と考える人も出てくるかもしれない。

 Nextorageでは、開発中のCFexpress Type Bメモリーカードを利用できるカードリーダーが参考展示されていた。USB 3.2 Gen 2x2に対応し、最大20Gbpsでの読み書きが可能で、カセットのようにストレージを取り替えられる。

 メモリーカードの価格は高いが(330GB容量のものがAmazonで3万5990円)、そんな夢のような環境を近い将来作れるようになるのだ。

CP+2023 カメラ 横浜 記憶媒体メーカーNextorageのブース 参考展示されていたカードリーダー。USB 3.2 Gen 2x2の高速転送環境を構築できる

SUNEASTのメモリーカードやカードリーダーも展示中

 発売中の外付けCFexpress Type Bカードリーダーと、3月発売予定のSD&microSD UHS-IIデュアルスロットカードリーダーを展示していたのはSUNEASTブースだ。

CP+2023 カメラ 横浜 旭東エレクトロニクスの記録媒体ブランド「SUNEAST」ブース

 SUNEAST ULTIMATE PRO CFexpress Type Bカードリーダーには、USB Type-CケーブルとUSB Standard Aケーブルが付属しており、USB Type-Cで接続すればUSB 3.2 Gen 2に対応しているため、最大10Gbpsでの転送が可能だ。非常にコンパクトなので、カバンの中に入れておいても気にならないだろう。

CP+2023 カメラ 横浜 SUNEAST ULTIMATE PRO CFexpress Type Bカードリーダー。カセットのように中身を入れ替えできる外付けSSDとしての利用はどうだろうか?

 同じブース内に、重量級のカメラを肩や首への負担を減らしつつ楽に持ち歩けるサクラスリングも展示してあり、「なぜメモリーカードメーカーとサクラスリングが一緒に……?」と思ったが、近々、サクラスリングとSUNEASTのコラボSDHCカードが発売されるという。

CP+2023 カメラ 横浜 併設されていたサクラスリングブース

 特徴としてはラベルをカスタマイズしやすくなっており、手書きしたり、ラベルをプリントしたりして、何を記録したのかが一目で分かりやすくなる。大切な我が子の撮影データが入っていたのに、中身が分からないばかりに上書きされてしまったというのはデジタル記録メディアあるあるだが、「あるある(笑)」と水に流せないほどの悲劇となる。

CP+2023 カメラ 横浜 SUNEASTとコラボしたSDXCメモリーカードを開発中とのこと。画像のように、ラベル面に書き込めるため、“うっかり”データを上書きといった事態を防げる

 サッと書き込めて、パッと見て分かりやすいSDXCカードを待ち望むファミリー層は多そうだ。

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