タイピング最速を競う「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2023」開催！ 日本一の栄冠は誰の頭上に輝く？（5/6 ページ）

[渡辺まりか，ITmedia]

接戦が繰り広げられた準決勝

くわな×三山羊

　笑顔も見られるようになったくわな選手は、「miri選手が同じブロックにいなくて良かったなと思ったけど、三山羊選手は強敵だと思った」と言うと、かな入力の三山羊選手は「事前に対戦して、強いことが分かっているので、めちゃくちゃ緊張している」と答えていた。

　試合は、正確性を決して落とそうとしないくわな選手のストレート勝ちだった。途中、三山羊選手が追い上げる場面もあり、興奮気味の実況が流れたが、盛り返すことはかなわなかった。

　後少しというところだったが、正解率をキープするのが難しい三山羊選手は敗退してしまった。

はやとぅ×miri

　「ちょっと緊張が解けてきた」と笑顔を見せたかな入力のはやとぅ選手は、「知っているmiri選手なので、隙を突いていきたい」と言い、miri選手は「速度の出るはやとぅ選手なので、油断することなく戦いたい」と宣言した。

　かな入力で1000kpm超えを出すスピードがありつつ、ミスタイプが目立ったはやとぅ選手。対するmiri選手は安定した速度と99％を超える高い正確性で勝利。決勝に進んだ。

　かな入力で647.9kpmは恐るべきスピードなのだが、99％の正確性の前にはなすすべがない

3位決定戦

　3位決定戦は、準決勝に破れた三山羊選手とはやとぅ選手というカードで行われた。実はこの二人は同い年かつ「歌謡タイピング劇場」で競い合った仲だという。

　「はやとぅ選手とは、かな入力を始めたてのときに教えてもらった間柄。強いことも知っているので、全力を尽くしたい」という三山羊選手に対して、「アドバイスしていたこともあった、いわばかな入力の先輩なので、先輩の意地を見せたい。この人は速くなるだろうと思っていたけど、こんなに速くなるとは思わなかった」と答える。

　肝心の試合の行方も見ていきたい。三山羊選手は立ち上がりから安定の正確性とスピード感で入力をしていき、2ラウンド連続で取得するが、3ラウンド目でお互いが9ワードを取ったところで、はやとぅ選手がラウンドを取得。続く4ラウンド目でも三山羊選手の正確性が95％を割り込んだのを見逃さず、はやとぅ選手が取得した。

　RTC初の5ラウンド目は、正確性を欠いてしまい焦りの見えるはやとぅ選手に対して、高い正確性で三山羊選手がプレッシャーをかけ続け、見事に3位を勝ち取った。

気になる優勝の行方は？

　いよいよ決勝戦だ。RTC初出場となるくわな選手と“絶対女王”miri選手。「ここまで来られると思わなかったが、対戦相手の思いを受け取って、ぶつけていきたい」というくわな選手に、「緊張していますが、絶対に勝ちます」と宣言するmiri選手。

　決勝戦はBest of 9となり、先に5ラウンド取得した方の勝ちとなる。立ち上がりから接戦となった第1ラウンドで、くわな選手が先に10ワードを入力しきったが、正解率94.7％、つまり0.3％足りなかったため、同ラウンドを取ったのはmiri選手となった。

0.3％及ばず、10ワード取得したものの、ラウンドを落としてしまったくわな選手と、冷静にディスプレイを見つめるmiri選手

　第2ラウンドは、10ワード対9ワードという接戦でくわな選手が勝ち取った。第3ラウンドはmiri選手が平均速度1010.7kpm、正解率95.5％という超人的・圧倒的力で取得した。

　その後もスピードはあるものの、正確性が及ばず1ラウンドを落としたくわな選手。3ラウンドを取得したものの、絶対女王のmiri選手の前に敗れてしまい、優勝は4大会連続でmiri選手となった。

8ラウンド目にmiri選手が接戦を制し、優勝の栄光を手に入れた

　試合直後のインタビューでは、初出場で準優勝という好成績だったにも関わらず「どちらかというと悔しいという気持ちが強い」というくわな選手に対して、隅野氏は、「その思いをバネにして、練度を高めていってほしい」とアドバイスしていた。

　4連覇を達成したmiri選手は「ホッとした。このような分野で女性がトップというのは珍しいと思う。『女性最速』と言われているが、『女性の中だけ？』という思いがあったが、性別を超えてトップになれた。がむしゃらにやってきたので、王座を守れて本当にホッとしている」とインタビューに応じていた。

4連覇を達成してほっとするmiri選手