ジャスト1kgの「Zenbook S 13 OLED UX5304VA」は環境にも配慮した第13世代Core搭載スリムモバイルPCだった(2/3 ページ)

» 2023年04月21日 13時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

開発コード名「Raptor Lake-U」こと第13世代Coreプロセッサを採用

 CPUには、IntelのCore i7-1355Uを採用している。Intel最新の第13世代Coreプロセッサの中でも、薄型軽量ノートPC向けのセグメントに属するUシリーズのCPU(開発コード名:Raptor Lake-U)で、熱設計の目安であるPBP(Processor Base Power)は15Wだ。

 この第13世代Coreでは、性能優先のPコアと電力効率優先のEコアを最適に使い分けるハイブリッドアーキテクチャを第12世代Coreから継承しつつ、改良を加えている。

 本製品が搭載するCore i7-1355Uは、2基(4スレッド)のPコアと8基(8スレッド)からなる10コア12スレッド構成で、最大周波数は5GHzに達する。先代の同格であるCore i7-1255Uからの進化は小幅だが、第11世代Core以前のモバイル向けCPU(Uシリーズ)とは一線を画すパフォーマンスを備える。

 メモリとストレージも先進の高速仕様だ。メモリは超高速なLPDDR5-6400を標準で16GB備える。ストレージもPCIe 4.0 x4インタフェースの高速モデルを1TB内蔵している。ビジネスや学習はもちろん、写真編集や動画編集までオールマイティーな環境で満足のいく体験ができるパワーを備える。

CPUはCore i7-1355Uを搭載する CPUはCore i7-1355Uを搭載する。Pコアが2コア4スレッド、Eコアが8コア8スレッド、合計10コア12スレッドという仕様だ
MyASUSユーティリティーでは、ファンの動作モードを選択できる MyASUSユーティリティーでは、ファンの動作モードを選択できる
ストレージはPCI Express 4.0 x4対応の高速SSDを1TB装備する ストレージはPCI Express 4.0 x4対応の高速SSDを1TB装備する。評価機はMicron 3400を採用していた
CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア。PCIe 4.0 x4対応SSDの中でも高速な部類に入る優秀なスコアだ

精細かつ鮮やかな高解像度の有機ELディスプレイを搭載

 本機にも、Zenbookシリーズではおなじみとなった有機EL(OLED)ディスプレイを採用する。

 画面サイズは13.3型で、アスペクト比は16:10、2880×1800ピクセルの高解像度表示に対応している。最大輝度550ニト、コントラスト比は100万:1、応答速度0.2msというハイスペックな内容だ。

 色域はDCI-P3比100%(sRGB比133%)の高色域に対応し、カラーサイエンス大手のPANTONEの認証も取得しており、コンテンツ制作にも活用できる高い色再現性を備える。

 HDRコンテンツを高品質で表示できる事を示す「DisplayHDR 500 True Black」に準拠し、ドルビーのHDR規格「Dolby Vision」にも対応し、HDRコンテンツもメリハリのある画質で楽しめる。

 試しに使ってみたが、素子自体が発光する有機ELディスプレイならではの締まりのある黒の表現、発色の鮮やかさに精細さも加わった画面は、起動した瞬間からインパクト抜群だ。ビジュアルコンテンツの鑑賞はもちろん、ビジネスや学習のモチベーションも上げてくれるだろう。

2880×1800ピクセルの高解像度表示対応の13.3型有機ELディスプレイを搭載する 2880×1800ピクセルという高解像度表示対応の13.3型有機ELディスプレイを搭載する。表面は光沢仕上げだ。HDRコンテンツを高いレベルの品質で表示できる「DisplayHDR 500 True Black」に準拠している
DCI-P3比100%(sRGB比133%)の色域をカバー DCI-P3比100%(sRGB比133%)の色域をカバーし、カラーサイエンス大手のPANTONE認証も取得済みだ。MyASUSユーティリティーでは、色域モードの選択やブルーライト低減設定などを行える
有機ELディスプレイの素子劣化防止策にも抜かりはない 有機ELディスプレイの素子劣化防止策にも抜かりはない。標準のOSテーマをダークモードにしているのに加え、スクリーンセーバーやピクセルシフト機能、フリッカー低減機能設定も用意する

先進かつ実用十分なインタフェースを搭載

 通信機能としては、Wi-Fi 6E対応の無線LANと、Bluetooth 5.1を標準装備する。

 超薄型のボディーながら、インタフェースも実用十分な内容だ。USBポートは、2基のThunderbolt 4対応のUSB Type-Cに加え、USB 3.2 Gen 2対応のType-Aと合計3基を搭載している。Type-CはいずれもUSB PD(Power Delivery)もサポートしており、どちらも充電端子として利用できる。

 この他、HDMI出力、ヘッドセット(ヘッドフォン/マイク兼用)と使い勝手に支障のない内容だ。

前面下部中央にくぼみがあり、すんなりと指がかかってカバーを開けやすい 前面下部中央にくぼみがあり、すんなりと指がかかってカバーを開けやすい
背面はフラットで、ヒンジがボディーの底部にある 背面はフラットで、ヒンジがボディーの底部にある
液晶ディスプレイを開くと、カバーの奥がボディー下部に潜りこんで傾斜がつく仕組みになっている 液晶ディスプレイを開くと、カバーの奥がボディー下部に潜りこんで傾斜がつく仕組みになっている。ボディー下部に空洞ができ、エアフローの効率化にも効果的だ
ヒンジは最大で180度近くまで開く ヒンジは最大で180度近くまで開く
左側面にHDMIとThunderbolt 4対応USB Type-Cポートが2基ある 左側面にHDMIとThunderbolt 4対応USB Type-Cポートが2基ある
右側面にあるUSB Type-A(USB 3.2 Gen 2)はギリギリのサイズ感だが、しっかりと補強がしてあり強度に不安はない 右側面にあるUSB Type-A(USB 3.2 Gen 2)はギリギリのサイズ感だが、しっかりと補強がしてあり強度に不安はない。3.5mmのヘッドセット(ヘッドフォン/マイク兼用)端子も装備する

高画素カメラにノイズキャンセリングなどビデオ会議向けの機能も充実

 液晶ディスプレイの上部には、約207万画素の高画素Webカメラとアレイマイクを装備する。マイクとスピーカーのAIノイズキャンセリング機能も備えており、ビデオ会議、ビデオチャットを良い画質、良い音声で楽しめる。

 Webカメラの脇にはWindows Hello顔認証用の赤外線カメラも搭載しており、システムに顔情報を登録しておけば、顔認証によるノータッチログインが可能だ。

 サウンドシステムは、オーディオブランドのharman/kardon監修で、ボディー左右のスピーカ(1W×2)に加えてスマートアンプを内蔵する。音質はやや繊細さに欠ける印象もあるが、薄型のボディーながらも非常に高い音圧を音割れなく再生できる。Dolby Atmosに対応し、音響効果もさまざま用意されている。

キーボードは6段配列のアイソレーションタイプだ キーボードは6段配列のアイソレーションタイプだ。左右に小さいキーはあるが、許容できる範囲だろう
キーボードバックライトを内蔵している キーボードバックライトを内蔵している。画面の影響で青く見えるが、白色LEDを採用する
キーボードバックライトは自動点灯の設定もできる キーボードバックライトは自動点灯の設定もできる
液晶ディスプレイの上部に約207万画素のWebカメラと顔認証IRカメラ、アレイマイクを備えている 液晶ディスプレイの上部に約207万画素のWebカメラと顔認証用赤外線カメラ、アレイマイクを備えている
カメラはかなり多機能だ。明るさ調整や視線補正、外観フィルターなど、AIを活用したさまざまな効果を利用できる カメラはかなり多機能だ。明るさ調整や視線補正、外観フィルターなど、AIを活用したさまざまな効果を利用できる
スピーカーとマイクはAIノイズキャンセリングに対応する。詳細はMyASUSユーティリティーで設定できる スピーカーとマイクはAIノイズキャンセリングに対応する。詳細はMyASUSユーティリティーで設定できる
Dolby Atmosに対応しており、コンテンツの種類に合わせた多彩な音響効果設定が用意されている Dolby Atmosに対応しており、コンテンツの種類に合わせた多彩な音響効果設定が用意されている

 最後に、ベンチマークテストで本機の実力を見ていこう。

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2024年05月09日 更新
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