CPUには、IntelのCore i7-1355Uを採用している。Intel最新の第13世代Coreプロセッサの中でも、薄型軽量ノートPC向けのセグメントに属するUシリーズのCPU(開発コード名:Raptor Lake-U)で、熱設計の目安であるPBP(Processor Base Power)は15Wだ。
この第13世代Coreでは、性能優先のPコアと電力効率優先のEコアを最適に使い分けるハイブリッドアーキテクチャを第12世代Coreから継承しつつ、改良を加えている。
本製品が搭載するCore i7-1355Uは、2基(4スレッド)のPコアと8基(8スレッド)からなる10コア12スレッド構成で、最大周波数は5GHzに達する。先代の同格であるCore i7-1255Uからの進化は小幅だが、第11世代Core以前のモバイル向けCPU(Uシリーズ)とは一線を画すパフォーマンスを備える。
メモリとストレージも先進の高速仕様だ。メモリは超高速なLPDDR5-6400を標準で16GB備える。ストレージもPCIe 4.0 x4インタフェースの高速モデルを1TB内蔵している。ビジネスや学習はもちろん、写真編集や動画編集までオールマイティーな環境で満足のいく体験ができるパワーを備える。
本機にも、Zenbookシリーズではおなじみとなった有機EL(OLED)ディスプレイを採用する。
画面サイズは13.3型で、アスペクト比は16:10、2880×1800ピクセルの高解像度表示に対応している。最大輝度550ニト、コントラスト比は100万:1、応答速度0.2msというハイスペックな内容だ。
色域はDCI-P3比100%(sRGB比133%)の高色域に対応し、カラーサイエンス大手のPANTONEの認証も取得しており、コンテンツ制作にも活用できる高い色再現性を備える。
HDRコンテンツを高品質で表示できる事を示す「DisplayHDR 500 True Black」に準拠し、ドルビーのHDR規格「Dolby Vision」にも対応し、HDRコンテンツもメリハリのある画質で楽しめる。
試しに使ってみたが、素子自体が発光する有機ELディスプレイならではの締まりのある黒の表現、発色の鮮やかさに精細さも加わった画面は、起動した瞬間からインパクト抜群だ。ビジュアルコンテンツの鑑賞はもちろん、ビジネスや学習のモチベーションも上げてくれるだろう。
通信機能としては、Wi-Fi 6E対応の無線LANと、Bluetooth 5.1を標準装備する。
超薄型のボディーながら、インタフェースも実用十分な内容だ。USBポートは、2基のThunderbolt 4対応のUSB Type-Cに加え、USB 3.2 Gen 2対応のType-Aと合計3基を搭載している。Type-CはいずれもUSB PD(Power Delivery)もサポートしており、どちらも充電端子として利用できる。
この他、HDMI出力、ヘッドセット(ヘッドフォン/マイク兼用)と使い勝手に支障のない内容だ。
液晶ディスプレイの上部には、約207万画素の高画素Webカメラとアレイマイクを装備する。マイクとスピーカーのAIノイズキャンセリング機能も備えており、ビデオ会議、ビデオチャットを良い画質、良い音声で楽しめる。
Webカメラの脇にはWindows Hello顔認証用の赤外線カメラも搭載しており、システムに顔情報を登録しておけば、顔認証によるノータッチログインが可能だ。
サウンドシステムは、オーディオブランドのharman/kardon監修で、ボディー左右のスピーカ(1W×2)に加えてスマートアンプを内蔵する。音質はやや繊細さに欠ける印象もあるが、薄型のボディーながらも非常に高い音圧を音割れなく再生できる。Dolby Atmosに対応し、音響効果もさまざま用意されている。
最後に、ベンチマークテストで本機の実力を見ていこう。
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