既報の通り、ハイビームは6月17日、中国AYANEO(アヤネオ)製ポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR Plus」を発売する。同社では3種類のカラーと3種類のスペックを用意しており、税込みの販売価格は以下の通りとなる。
同社は4月28日、グレイシャーブルーの実機を披露するイベントを開催した。この記事では、その模様をお伝えする。
その名の通り、AYANEO AIR Plusは「AYANEO AIR」の新モデルである。コンパクトかつ軽量なボディーという特徴はそのままに、APU(GPU搭載CPU)をRyzen 7 6800Uに置き換えることで基本性能を底上げして、ゲームをより快適に楽しめるようにしたことが特徴だ。
APUのRyzen 7 6800Uは、CPUコアが8基16スレッド/2.7GHz〜4.7GHz駆動、GPUコア「Radeon 680M」が12コア/グラフィックスクロック2.2GHzという構成となる。Radeon 680MはRDNA 2アーキテクチャで、リアルタイムレイトレーシング(RT)のハードウェア処理に対応するなど、CPUに統合されたGPUとしては処理能力が高い。
Ryzen 7 6800Uの定格TDP(熱設計電力は)15W〜28Wだが、最大値の28Wで長時間稼働できるように、AYANEO AIR Plusでは冷却ファンやヒートスプレッダーの改善を行っているという。ただし、28Wでの駆動は外部電源を接続した場合のみとなり、バッテリー駆動時は最大25W駆動となる。
携帯型ゲーム機として「バッテリー駆動時間をより長くしたい」というニーズに応えて、TDPは最小で5Wまで抑えられるようになっている。TDPを5Wに設定した場合のバッテリー駆動時間は最長で約3時間となる。20W(標準設定)の場合は、1時間半程度はゲームを楽しめるという。
メインメモリはLPDDR5-6400規格で、容量はモデルによって16GBまたは32GBとなる増設/換装不可)。ストレージはPCI Express接続のM.2 SSD(Type 2280)で、容量は512GB、1TB、2TBの3種類から選べる。保証対象外となるが、SSDは換装できる設計だ。OSはWindows 11 Homeをプリインストールする。
ディスプレイはフルHD解像度(1920×1080ピクセル)の6型IPS液晶を搭載している。最大輝度は400ニトで、屋外での視認性も良い。色域はDCI-P3を85%、sRGBを120%カバーしており、発色も良好だ。タッチ操作にも対応する。
パッド(ゲームコントローラー)の仕様は、従来のAYANEO AIRシリーズと同様だ。左側にはサムスティックと十字キーを、右側にはA/B/X/Yボタンとサムスティックを、上部には6個のトリガーボタンを備えている。
ポート類は、本体上部にUSB4端子を、下部にUSB4端子、イヤフォン/マイクコンボ端子とmicroSDメモリーカードスロットを備えている。2基のUSB4端子は、USB PD(Power Delivery)規格の電源入力(65W)とDisplayPort Alternate Mode規格の映像出力にも対応する。下部のUSB4端子は、AYANEO AIRシリーズ用のドッキングステーションの接続にも対応する。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(2.4GHz帯/5GHz帯のIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.2に対応している。
今回のAYANEO AIR Plusでは、USB Type-C端子がUSB 3.2 Gen 2からUSB4にパワーアップしている。これにより、Thunderbolt 3/4規格に準拠する外付けGPUボックスや超高速ストレージ(SSDやRAIDストレージ)を装着できるようになった。
スピーカーはステレオ(2基構成)だが、新たにスマートアンプを搭載することで音質と音圧の改善を図った。Webカメラは装備しないものの、2基のマイクを内蔵しており、ヘッドセットを使わずに快適なボイスチャットを楽しめる。
電源ボタンは指紋センサー付きで、Windows Helloの生体認証も利用可能だ。
ボディーのサイズは約237(幅)×91.4(高さ)×23.1(厚さ)mmで、重量は525gとなる。従来のAYANEO AIRシリーズと比べると若干重量を増しているが、内部の部品の配置を見直したとのことで、持ってみると「重たくなった」という実感はあまりない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.